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白日陰影

箱詰系、拘束系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

遠隔操作で自縛したら「自分」が増えた


 わたしの目の前で、限りなく自由を奪われた女の子がもがいている。

 至って普通の家の一室、日常的な香りのする部屋の中。
 目に眩しいほどに白いシーツがキッチリ整えられたベッドの上に彼女は仰向けに寝かされていた。
 細く華奢な両手両足は、それぞれ別の拘束具で折り畳んだまま包まれ、伸ばすこともできないようにされている。
 指先はミトンのような丸まった手袋に包まれて、使えないようになっている。遊びが一切ないので、仮に縄抜けなどのエスケープの達人でも抜け出すことは出来ないだろう。
(まあ、そんな技術なんて持っていないから、過剰なんだけど……)
 両肘と両膝には丸い金具があって、太い鎖が連結されている。その鎖が左右に引っ張られて、ベッドの裏で手足の鎖それぞれが繋がっているので、彼女は身体を開かざるを得ない状態にさせられていた。
 彼女がいくら短くなった腕や足で身体を隠そうとしても、鎖は強固に彼女の両手足を固定している。手足に込められるだけの力を入れているようだけど、鎖はわずかに軋むだけでテンションが緩んだりはしなかった。
(恥ずかしい格好よね……部屋に流れる空気が身体に当たるのがよくわかるし……)
 両手両足は完全にラバーで出来た袋状の拘束具で覆われている彼女だけど、それに比して身体は比較的露出度が高かった。
 胴体にはボディハーネスと呼ばれるものが食い込んで、その裸身を彩っていた。掌にあまるほど大きな乳房も、革のベルトが絞り出して大きさを強調している。
 その先端にある桃色の乳首。それに対して、小さなローターが二つ、挟むように固定されている。小さな振動音を奏でながら刺激を与え続けていた。
 その結果、彼女のその敏感な先端は傍目にもわかるほどに硬く尖っていて、どれほどの快感を強制的に与えているのか容易に想像がつく。
(少しもがいただけでも揺れるから、刺激に慣れないのよね……)
 彼女の股間は、両足が曲げた状態で、膝が左右に引っ張られていることで、女の子が普通は絶対にしない格好で開けっぴろげに晒されていた。
 その上、両足は足の裏を合わせる形に固定されている。ボンテージテープというガムテームのようなものでぐるぐる巻きにされていて、足先が微かにぴくぴくと動いているのがわかる程度にしか動かない。
 そんな形で晒されている股間、女の子の一番大事な場所には、恐ろしく大きく太いものが挿入されていた。それはボディハーネスの股間部分を通るベルトに固定され、抜けないようにしている。
(最初はあれだけキツかったのに、よく入るようになったわよね、これ。普通の男の人のものとは違う動きだけど、それがいいっていうか……)
 多少女の子が暴れた程度では抜けず、むしろ押し込んでいるような形だ。男性器を模したそのバイブはローターとは比べものにならない大きな音を立てて動いていて、彼女がその動きに翻弄されているのがよくわかる。
 さらに、クリトリスは丁寧に皮が剥かれたあと、クリキャップで吸い出された上で、ローターが張られていた。
(直接つけたらすごすぎたから、クリキャップ越しに着けてみたけど……余計酷いのかな?)
 仰向けに寝ているから傍目からは見えないけど、お尻の穴にも細工がされていることをわたしは知っている。
 彼女のお尻には太くて長いアナルパールが押し込まれていた。丹念に中のものを出してから入れたから、お腹の奥の奥までそれの感覚が満たしているはずだ。
 いまはお尻の穴から引っ張り出すための金具が飛び出しているだけだから、見た目は大したことがないように見える。
 けれど、ボディハーネスが食い込んでいないあたりのお腹をよく見ると、便秘で大便が腸内に溜まっている時のように、少しぽっこりとしていることから、入れているそれがどれほど太く大きく、長いものなのかは伺いしれた。
(ほんとに苦しいのに、よくやったわよね……)
 必要以上の、執拗なまでの責め具の数々。
 そしてそれは身体だけじゃなく、首から上の頭部にも及んでいた。
 いや、むしろそこから上が本番といえるかもしれない。
 まず首には太くて重い金属製の首輪が巻き付いている。この首輪、着けたまま動くことを想定していないと思えるほど物凄く重い。もし柔らかいマットのベッドに寝かされたら首輪の自重で首が絞まってしまいかねないほどだ。
(ベッドの硬さが足りなかった頃は、危うく気を失いかけたわね)
 いま彼女が寝ているベッドはほどよい固さのマットを使っているから、分厚い首輪がほどよく凹み、固定されているわけでもないのに彼女の首はそこからほとんど動かせなくなっていた。
 顔の下半分、口を覆っているマスクのようなものは、口の中央に丸い栓のようなものがある。いわゆる開口具というもので、その栓を外すことで口内が無防備に晒される仕組みだ。本来なら、男性が着用者にフェラチオを強制させるための装置だった。
 ただ、この口枷の栓は特注品であり、内側に物凄く太くて長いゴム製の張り子が接続されている。
 それは彼女の喉の奥までを犯し、喉のほとんどを占領して、わずかな呼吸さえも苦しいものにしている。
(ほんと苦しいのよね、これ……喉のほとんどが圧迫されて……空気は通るけど、それ以外のものはほとんど通らないし……)
 舌が内側に張りだしたものによって抑え込まれているから、彼女は明瞭な声をあげることもできない。開口具の時点で開きっぱなしになるのだから、ほとんど呻き声しかあげられないのだけど、その栓の残酷な仕掛けによって、呻き声すらささやかなものになっている。
 口で呼吸のできない彼女は、鼻で呼吸するしかできないのだけど、そこにも当然細工がしてある。鼻には穴を塞ぐ形でチューブが通されていて、そのチューブの先端は彼女の顔の横に置かれたリブレスバッグに接続されていた。
 知らない人が見たら黒い風船のようなものにしか見えないものが、彼女の呼吸に合わせて膨らんで萎んで、を繰り返している。そのリブレスバッグは、彼女の鼻のチューブに繋がっているのとは別の太いチューブである程度の外気を取り入れているため、酸素がなくなって死ぬことはない。
 けれど、吐いた息をほとんどそのまま取り入れることになり、酸欠気味になってしまう。
 彼女がそれを通して呼吸をするようになってからしばらく経っているから、頭がぼんやりとして思考が定まらなくなり始めている頃だ。
(ぼーっとして、息を吸っても吸っても楽にならなくて。最初は焦って余計に呼吸して苦しくなったりしたなぁ)
 目の焦点の合い方などを確認出来れば、より詳しくどんな状況かわかるのだろうけど、残念ながらそれはできなかった。
 彼女の目は、分厚い目隠しによって覆われているからだ。その目隠しは普通の布を巻いただけのものではなくて、こういう時のために使われる、革で出来た本格的なアイマスクだった。暴れることはそもそも出来ないけど、仮に頭を振って暴れたところで、全く動かないだろう。それくらい強固に彼女の視界は奪われている。
 彼女は、光の濃淡すら感じられない暗闇を感じているのだ。
(目が見えないだけでも、十分なのにね……)
 耳にはノイズキャンセラー付きのヘッドセットが被せられ、目隠しや口枷と連結して取れないように固定されている。しかも、これだけではなくて、ヘッドセットの中にある耳の穴には、だめ押しとばかりに穴を塞ぐタイプの耳栓が押し込まれていた。
 それにより、わずかな音さえも一切聞こえない。
 身体を通して聞こえる分しか、彼女の耳には音が届いていなかった。それは静寂というにはあまりにも静かすぎる環境で、目も耳も鼻も利かないため、身体の感覚が酷く鮮明になるのだった。
(自分の身体だけしか世界に存在しないような、心細くて、不安になる感覚……)
 彼女は、人間が本来持っている自由をことごとく奪われて、そこにいた。
 とても恥ずかしく、ひどくいやらしい格好で囚われている。自由のない中、少しでも身体を動かそうと懸命に足掻いていた。
 もちろんその程度で彼女を戒める拘束は外れない。
 それを一番よくわかっている彼女は、はしたないほどに股間を濡らし、挿入された張り子の隙間から愛液を滴らせてベッドにシミまで作っていた。
 絶望的なまでに自由を奪われているのに股間を濡らすなんて、どれほど変態かと思うだろう。ほとんどの人がそう思うはずだ。
 だが、わたしはそうは思わない。思うわけがない。
 この彼女にここまで徹底的な拘束を施したのはわたしだ。
 無抵抗な彼女のあそこにバイブを入れ、アナルパールを押し込み、ボディハーネスで絞り出しつつ固定して、ローターを乳首とクリトリスに宛がって、両手両足を折り畳んで拘束し、鎖でベッドに固定して、指先までも完全に覆って封じ、首輪を着けて鍵をかけ、口枷を噛ませて喉の奥まで張り子を押し込み、鼻の穴を封じてリブレスバッグに繋ぎ、目隠しをして耳栓を入れてヘッドセットで固定して。
 すべての準備を整えた。
 そうやって拘束した張本人だから、彼女を変態と思わない、のではなく。

 わたしは、ベッドの上で快楽に悶えてもがいている――彼女本人だからだ。




 わたしは、どこにでもいる普通の女の子だった。
 とあるエッチなネット小説を読んだことがきっかけで、SMというか、拘束されることに興味を持ってしまった。
 彼氏はいなかったし、友達に頼むわけにもいかなかったから、自分で自分を拘束する、いわゆるセルフボンテージに嵌まっていった。
 そうしているうちに、自分の身体ひとつで出来ることには限界を感じ、思い切ってお助けロボットを購入することにした。
 本来、このロボットは寝たきりの患者や高齢者などが使用するためのものだ。一時的に意識をロボットに移し、ロボットの体を行動することが出来る。身体は部屋で寝たまま、買い物や料理が出来るということで、自分で自分の介護ができると人気だった。
 自分の体と同時には動かせないけど、ロボットの体は力が強く、わたしのような女の子でも重い荷物を持つことができるようになるので、寝たきりの人以外にも活用されている。
 だからわたしがそれを購入しても不自然ではなかった。
 お助けロボットはできる限り操作する本人に似せる、というのが通例だった。もちろん人と区別がつかないほどではないけど、作業の関係上、手先なんかは人間そっくりにできているし、その気になって工夫すれば人間の体の振りをすることも一応は可能だ。
 そこまでする人は滅多にいないし、どうしてもロボットである部分はあるから、ずっと騙しきれるものではないけど。
 ロボットは操作する人間が、頭に着けるコントローラーがないと動かない。ヘッドバンドのような形状の機械によって、意識をロボットの方に転送して動かしている。
 コントローラーがないとロボットは動かせず、もし取り外せばすぐに人間の体の方に意識が戻るようになっている。
 ロボットの体と自分の体、両方を同時に動かすことはできない。それは主体性の保持という意味で絶対の前提だった。

 そのはずだった。

 いつものように事前の準備を人の体で整え、ベッドに裸で寝転がったわたしは、ロボットを動かすためのヘッドバンドだけを身に付け、ロボットの体に意識を移した。
 ロボットの体で動けるようになったわたしは、ベッドの上で無防備に寝る自分の体に拘束具や責め具を取りつけた。
 その間、わたしの人間の体は一切動かず、身動ぎ一つしていなかった。
 問題は何もなかったはずだった。
 すべての準備を終えたわたしは、嬉々としてロボットの体から意識を人間の体へと戻した――はずなのに、ここにいる「わたし」という意識はロボットの体にあり続けた。
 人間の体の方はいつものように縛り上げられ、自由を奪われた快感を享受しているようで、ロボットの体がいまだに動いていることに気づいてすらいないようだ。
 ほとんどの感覚を遮断しているから無理もないとはいえ、呑気なものだった。
 人間の体のわたしが身悶えているのを視界の端に納めつつ、わたしは自分の手に視線を落とす。ロボットの手が見えた。
(……どうしよう)
 間違いなくこれはバグだ。どういうわけだか、人間の体に戻るはずだったわたしの意識が、ロボットの体の中にも残ってしまった。
 本来ならこれはあり得ないことだ。だってこのロボットは人の意識を再現するほどの性能をしていない。色々な感覚をロボットの体を通して人間が得られるというだけで、原理としてはラジコンに限りなく近いからだ。
 指示を出す脳は人間の側にしかなく、いまはその脳が人間の体を動かしている以上、さらにロボットの体が動かせるわけがない。
 そもそも、ここにわたしをわたしと認識している自己があるのがおかしい。意識が分裂したとしか思えない。
(わたしは……どうすればいい……?)
 いつまでこの状態が続くのか、見当も付かない。
 普段こうやって楽しむ時、わたしは時間が経てば自動的に意識がロボットに移るようにしていた。
 そうして自分の拘束を解き、後片付けをしてから、再び自分の体に戻ってシャワーを浴びるなどの後始末を行う。
 向こうの意識がこっちに移って来た時、ここにいる「わたし」はどうなるのだろう。
 記憶や意識が統合される、というのが一番ありえそうだけど、本来存在し得ない「わたし」は消えてしまうのかも知れない。
 それは、ぞっとする予想だった。

 わたしは確かにわたしとしてここに存在する。消えたくない。

(ど、どうしたらいいの……?)
 もう一度わたしの意識がこちらに移って来ないようにするには。
 わたしはベッドの上で脳天気に快楽を貪るわたしを見た。
 その額には、ヘッドバンドが巻かれている。ヘッドバンドは不自由な体で暴れた程度では外れないけど、第三者の手なら取り外すのは簡単だった。
 ロボットに喉を鳴らす機能はないのだけど、ごくり、と唾を飲み込む感覚を覚える。
 それを行うことで、わたしがどうなるのかはわからない。
 もしかすると、取り返しのつかないことになる可能性は否定できない。
 それでもわたしは「わたし」であるために。

 ベッドで寝ているわたしの頭から、ヘッドバンドを取り外した。


つづくかもしれない
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