FC2ブログ

白日陰影

箱詰系、拘束系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

箱詰倶楽部自動詰め まとめ

箱詰倶楽部では様々な需要(箱詰に限る)に対応しております。
続きを読むからどうぞ。
箱詰倶楽部自動詰め
夜空さくら


 その日、箱詰倶楽部にやってきたのは、一部の隙もない、キャリアウーマンだった。
 堂々とした態度とは裏腹に、サングラスで顔を隠しており、お忍びでやってきた芸能人かというような様子だ。
 箱詰倶楽部の受け付け嬢を務める真藤馬しずなは、そんなキャリアウーマンに対し、静かに会員証の提示を求めるだけで、余計なことはなにも言わなかった。
 会員証を確認し、それを返却すると、しずなは一本の鍵を取り出した。それをキャリアウーマンに手渡すと、エレベーターで最下層に向かうように促す。勝手知ったると態度で示すそのキャリアウーマンは、エレベーターに乗り込んで地下へと消えて行った。
 ロビーにはしずなしかいなくなり、彼女は何事もなかったかのように仕事に戻るのだった。


 箱詰倶楽部の最下層はとても静かなフロアだ。
 地下なのだから当然だが、窓ひとつなく、外界からは完全に遮断されている。監視カメラは設置されているが、これは防犯上当然だろう。
 キャリアウーマンはエレベーターからほど近い部屋に近づくと、渡された鍵を使ってロックを解除し、部屋の中に滑り込む。そのドアには、「自動箱詰め部屋」というプレートが掲げられていた。
 部屋は一般的なビジネスホテルの部屋と広さはほとんど変わらない。しかし、ベッドが置かれていない分、広く見えた。
 扉の鍵を内側からかけると、ようやく張っていた気を緩めて、そのキャリアウーマンはサングラスを外した。
(ふーっ……やっと来れたわ)
 彼女は箱詰倶楽部の常連である。しかし、最近は仕事に忙殺され、週に一度ここに来ることも出来ずにいた。その間、ずっと彼女は悶々としたものを抱えていたのだ。
 そうして、今日、ようやくここに来れたというわけだ。
(……さて……時間が勿体ないわ。早く始めましょう)
 彼女は普段上司や部下に向けているのとは全く違う、官能を期待する女の柔らかな笑みを浮かべて、準備を始めた。

 彼女は箱詰めされたいという趣味があったが、そのために人に裸を晒し、箱に詰めてもらうという行為がどうしても受け入れられなかった。彼女自身、くだらないプライドと頭では理解していても、生理的嫌悪感はどうしようもない。
 箱詰倶楽部を見つけた当初は、有志がサイトに自分の箱詰め体験記を提供している、箱詰倶楽部の日々の活動報告を見て日々悶々とする日々を送っていた。それとなくメッセージを使って、箱詰めされたいが人に見られたくはない、ということを伝えもした。
 箱詰倶楽部は、そんな彼女一個人の期待にも応えてくれた。
 自動箱詰めサービスというものが開始された時、彼女は一も二もなく飛びついて、詳細を尋ねたものだ。そしてそのサービスの内容は実に彼女にとって最高なものだった。
 それ以来、彼女はすっかりこの箱詰倶楽部の常連となり、自動箱詰めを楽しんでいる。

 まず、部屋の片隅に用意されたクローゼットを開き、その中に身に着けていた服やアクセサリーをすべて納めていく。
 室内とはいえ、部屋の中で全裸になるのはまだ少し慣れないけど、服を着たままより裸になった方がよっぽど気持ちいいことはすでに知っている。最初の頃は色々考えて服を着たままだったり、水着を用意したりとしたものだけど、いまや全裸で入るのが定番だ。こんなこと、店に対する信頼感がなければできない。そういう意味では、この店はそういう信頼感を築くための努力を事欠かない。
 まあ、難しいことはさておき。
 全裸になった私は、さっそく箱の中に入りたい衝動を抑えて、体を綺麗にするために、シャワールームへと向かった。どうせ汗まみれになるけど、先に汗を流しておいた方が気持ちいい。
 私はざっと体を洗い、大きなバスタオルで体を拭きながら部屋に戻る。習慣でバスタオルを体に巻きつけながら、いつも使っているその特別な道具を確認する。
 全自動箱詰め機。
 そう呼ばれている機械は、見た目上は完全にリクライニングチェアーだった。全身マッサージをしてくれる椅子のように、かなりゴツイ見た目で、手や足の先までぴったり覆う形式になっている。これに座れば、それだけで箱詰めをしてくれる。一体どんな構造にすればそういうことができるのかはわからないけど、楽しむのにそこまで詳しい知識は必要としない。
(そういえば……いつかは個人が所有できるように、個人での販売も考えているって言ってたわね)
 さすがに価格やメンテナンスのことを考えるとまだとてもそんなことができるような状態にないらしいけど。もしも販売が始まったら無理をして買ってもいいかもしれない。
 私はそんなことを考えつつ、バスタオルを取ってその椅子に深く座る。手元のボタンを押せば箱詰めが始まるようになっている。
 緊張と期待で、心臓がドクンドクンと鳴っている。私は呼吸を整えてから、ボタンをかちりと押し込んだ。
 ピピッ、という電子音がしたかと思うと、電子音声が流れた。
『自動箱詰めを開始します。対象者はリラックスし、体の力を抜いてください』
 言われるまま、私は深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。 
『対象者の体勢が規定位置にあることを確認しました。動かないでください』
 ガチャン、という音がして、私の腰に金属製のベルトみたいなものが巻きついた。ちゃんと肌に当たる部分には当て布のようなものがあるのか、擦れても痛くはない。ベルトは程よく締まって、私の腰を固定する。
 そして、本格的な箱詰めが始まった。
 箱詰倶楽部というところの技術力は、はっきり言ってどうなっているのかわからないレベルのものが多い。私は色んな体験記を読んで来たけど、この前の多人数透明箱詰めプレイに使われていた透明な箱も異常な技術力だった。他言無用の原則があるため、余所で話に出したことはないけど、出すところに出したら特需で一生をかけても使いきれないほどの利益を生みそうではある。それをただ箱詰めにすることにだけ使うというのだから、この倶楽部はつくづく異常だった。
 さておき、その透明の箱ほどではなくても、技術力に関していうならこの自動箱詰め機械も相当なものだった。
 そもそも人を自動的に箱に詰めるということ自体が、どれくらいの技術力が必要なのか図りづらいことではないけど、単純にこの箱は技術力がすごいと思う。
 まず、手足を押さえていた部分の、程よく手足を包んでいた部分が、その柔らかさはそのままに、手足全体をぐるりと覆う。握っていた拳の部分も、指が湧かれていないぴっちりした袋のようなものが覆った。これは指先などを箱の開閉に巻き込まれてしまわないようにするための処置らしい。
 手足の保護が終わると、がちゃん、と椅子全体が動いた。手足を拘束している部分が私の体を操り人形のように大げさに動かして、体育座りのような形を作らせる。顔の部分の背もたれがヘルメットのように頭全体を覆って、無理のない範囲で下を向かせてくる。
 ピピッ、と電子音が鳴って、目の前に展開されたヘルメットの内側のような部分に、映像が表示された。背もたれの内側に収納されていたはずの部分から、すごく画質のいい画面が展開される……これこそ、私が技術力に舌を巻いた部分だ。
 画面が展開されたのは、一人箱詰という関係上、単調になりがちなそのプレイに彩りをつけるためだとわかってはいたけど、それだけならあとで記録していた映像でも見せてくれればいい。これはつまり、リアルタイムで楽しめるようにという配慮だった。それだけのためにこんなものを作ってしまうのだから、本当に箱詰倶楽部の技術班というものは、褒め言葉の意味で変態の極みだった。
 私はその映像が、先ほどまで私がいた部屋の映像であるということを知っている。さっきまで私が座っていた椅子があったはずの場所には、いまはやけに大きな機械があった。この中に私が入っている。いま、こうして体を丸めて、小さくしている私が。
 けれども、これだけなら単に機械によって閉じ込められているだけのことだ。箱詰めプレイと言う範疇には入るけど、それは私の求めるプレイとは少し違う。
 そんな私の期待に応えるように、箱はさらに変形を続けていた。
 そして、それに伴い、中にいる私の体にもさらに変化が加えられるのだった。
 映像の中で、ただの大きな四角い箱だったものが、ほとんど動きがないのにもかかわらず、徐々にその体積を減らしていた。よく見ると部品が細かく組み変わっていることが見てとれるけど、それにしたって異常なことだ。元の椅子の状態の時の体積から考えると、圧縮できる材質のものを使っていたのだろう。布団を圧縮袋で何分の一の厚みにしてしまうように、そういう柔軟さを持つ素材が使われていたのだ。椅子として座り心地がいいように、背もたれやお尻をつける部分は柔らかな素材で出来ていたから、その理屈もわからなくはない。
 わからなくはない、というだけで、どんな理屈なのかは正直まったくわからないけど。
 しかし、圧縮される布団がそうであるように、柔らかなものの体積を減らそうと圧縮すれば、硬い素材になる。私は全身に感じていた柔らかな感触が、まるで金属のような堅さになるのを感じていた。最初から金属製の箱に閉じ込められていたような感覚に、酔いしれる。
 さらに箱は縮小を続けている。私は自然と全身が小さくまとまるように圧されて、気づけばかすかに身じろぎするのも厳しいレベルでぎゅうぎゅうに押し込められていた。
(ああ……この感覚! この感覚なのよ……!)
 一人では決して味わうことができないと諦めていた、ギリギリの箱詰めプレイ。私は息苦しいほどに窮屈に詰め込まれている感触に、心臓が破裂しそうなほど大きく鳴り響いているのを、それこそ全身で感じていた。
 映像の中には、ちょっと大型のスーツケースがあった。私を包んでいる箱は、外から見るとそんな形に変わっていた。知らない者が見れば、間違いなくスーツケースとしか思わないだろう。
 そのスーツケースはキャスターを下にした状態で、部屋の中央に鎮座していた。
 それが、突如として動き出す。中にいる私にも、それは振動という動きではわかった。スーツケースはまるでラジコンか何かが動くように、滑らかに動き、クローゼットの前に移動する。クローゼットの扉が自動的に開いた。
 そして、スーツケースはクローゼットの中に自分からコロコロと入っていって……再び扉がしまった。これが箱詰倶楽部の自動箱詰めプレイ。クローゼットの中にしまわれるところまで全自動で行うという、「どうしてそこまでベストを尽くしたのか」と言わざるを得ないレベルのものだった。
 はっきり言って、最後の部分は人力でもいいはずだ。スーツケースの中に入ってしまった時点で、中に誰が入っているかなんてことはわからない。従業員が部屋に入って、クローゼットの中まで移動させれば、最後の自動的に動く機構は必要ない。あくまでも自動箱詰めプレイに拘った執着の勝利と言える。
 部屋の中には誰も入って来ない。他者の介在する要素を一切排除した完璧な自動箱詰めプレイ。
 私がその悦びに体を震わせるのと、映像が切れて視界が真っ暗になるのは同時だった。
 一瞬どきりとするが、これはいつものこと。箱詰めは本来真っ暗だ。いくら自分の状況を知るためとはいえ、いつまでも目の前に映像があっては興ざめというもの。すでに十分なほど、自分の状況は把握できていた。
(ああ……いま、私は……箱の中にいて……その箱はクローゼットの中にしまわれてるのね)
 自分がモノになったかのような感覚。それは普段の私からすれば信じられないことであり、はっきりいって屈辱的なことしかないはずだった。けど、『そういうこと』が私にとってはとても気持ちのいい行為になってしまっている。
 まだそういうことは考えていないけど、将来的には私も誰かと結婚して家庭を育むことになると思う。しかし、この特殊な性癖を理解してくれる人がそうそう現れるとは思えなかった。いつもとのギャップが激しすぎるのも心配の種だ。そんな人だとは思わなかった、と言われるときのことを思うと正直怖いし、気がめいる。
 私は思わず変な方向に行きそうになった思考を払い、せっかく楽しみに来ているのだから、と現在のプレイに意識を集中することにした。ぎゅうぎゅうに押し込まれた箱の中は酸素が少なく、深い呼吸を繰り返しているとすぐに酸欠状態になって頭がぼーっとし始める。この箱はきちんと必要な分だけ酸素を供給してくれているらしく、死ぬことは決してないけど、必要以上に呼吸をすればすぐに酸素が足りなくなるということでもあった。
 意識が混濁し始めると、さらに気持ちよくなってくる。さっきまで考えていたわずらわしいことなんてほとんど気にならなくなり、ただ箱に詰められている快感に浸る。何の刺激も与えられなかったけど、十分なほどに気持ちがいい。そもそも、私はこのプレイに激しさを求めていない。
 ただ、箱に詰められて、何もできない状態で、呼吸するのさえ不自由で。
 そんな完全に箱に閉じ込められて外界と遮断された状態。それこそ、私の求めている快感だった。
 やがて意識があるのかないのかもわからなくなって、私は微睡の中に沈む。


 今回のプレイ時間が終了して、私は再びエレベーターを使ってロビーに上がった。
 そこでは来た時と全く変わらない様子で、受付嬢がにこやかに出迎えてくれた。この受付嬢は余計なことを何も言わず、ただ淡々と仕事をこなしてくれるので、内心非常に気に入っていた。会社の使えない新人とチェンジしてもらいたいくらいだ。
 部屋の鍵を返却し、退室記録に名前を書く。それだけで普段なら終わりだった。しかしその日は、少しだけ違った。
「お客様、こちらをどうぞ」
 ペンを置いた私の手元に、受付嬢が一通の封筒を差し出してくる。表面には「倶楽部からのお知らせ」と書いてある。あとは自分で読めということだろう。ここで長々と説明したりしない気遣いにいつも私は救われている。
「ありがとう」
 私は短くそう答えて、その封筒をバッグの中に入れた。
 そして倶楽部の建物から出て、すぐに家に戻る。
 部屋に入ってからようやくその封筒の中身を確認してみた。それはどうやら新しい箱詰めプレイの案内で、私が食いつきそうなプランの話もいくつかあった。
「……まったく、どこまで至れり尽くせりなんだか」
 私はそう独り言を言いながら、そのプランの実行日をどうスケジュール調整するか考えていた。
 
 箱詰倶楽部は当分やめられそうにない。


~箱詰倶楽部自動詰め 終わり~

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

カウンター
プロフィール

夜空さくら

Author:夜空さくら

はじめに
当ブログは箱詰・拘束系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。