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白日陰影

箱詰系、拘束系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。
月別アーカイブ  [ 2019年08月 ] 

軟体薬 3


 後ろに回そうとした手が掴まれた時点で、嫌な予感しかしなかった。
「ほい、っとな」
 案の定、麗子は掴んだ私の腕を捻り、手のひらを外側に向けるようにしたかと思えば。
 さらに捻りを加えられ、右の手のひらが左の頬に触れるような形に持って来られた。
 普通なら絶対有り得ないことに、ただでさえ脚の感覚で混乱している頭がさらに混乱する。
 良く友達同士の悪ふざけで、背後に忍び寄ったあと「だーれだ」と良いながら手のひらで目を塞ぐ――なんてものがあるけど、それをセルフでやっているようなものだ。
 しかも、親指が上を向いていなくて、下を向いている形だ。友達に悪ふざけで目隠しをするときでも、手はそんな方向にはならないだろう。
 わけがわからない。もう自分の身体がどうなっているのかわからない。頭が混乱しきって、身体をどう動かせばいいかもわからなくなってしまった。
 そんな私の混乱に乗じて、麗子はもう片方の手も、同じように捻りに捻って、手のひらが私の顔の横に来るようにする。
 全く動けなくなった私を、麗子は抱え上げ、上下を反転させてきた。私は仰向けで天井を見上げる体勢になる。
「とりあえずオッケー。フージーちゃん。自分の身体がどうなってるか、見てみる?」
 そういって、麗子はスマホを取りだしてカメラで私の姿を撮影する。そしてスマホの画面を私に向けてきた。
 見るのも怖いけど、見ないのはもっと怖い。私は恐る恐る、麗子のスマホに目を向けた。

 画面の中の私の身体は――綺麗に、長方形に折り畳まれていた。

 手足が曲がっちゃ行けない方向に曲がっていて、軟体薬の影響であるとわかっている私でも正直気持ち悪い。
 特に気持ち悪いのは、顔の横に来ている手だ。いまも視界の端にちらちら映っているけど、それが自分の手だということが信じられない。
 指先は自分の意思で辛うじて動かせるものだから、それがかえって余計に気持ちが悪い原因になっていた。
 呆然とその映像を見詰めていた私は、麗子がこっそり何かの道具を手にしているのに気付くのが遅れた。
「フージーちゃん。あーん」
 だから、そう声をかけられた時、言われるままに口を開けてしまった。
 開いた口に、柔らかなボール状のものが押し込まれる。
「ンンッ!?」
 臭いと味から、それがゴムボールだということはわかった。以前使ったことのあるプレイ用の道具だ。口内を満たしてしまうために、満足に喋ることも出来なくなる。
 そんなものをいきなり押し込んでくるなんて、何を考えているのか。
「よしよし、素直でよろしい。……そんでもって、と」
 麗子は私の両手を掴み、指と指を絡めるように手を握らせる。
 普段ならなんていうことはないことだけど、いまの私の腕の曲がり方と位置関係のせいで、自然とその組んだ両手に口を抑え付けるような力が働いた。
 押しこまれたゴムボールを吐き出せないよう、自分で抑え付けるような形になってしまう。組まされた指を解こうにも、身体の状態に混乱した頭では、がっちり組んでしまった指を外すのも難しい。
「これでも十分だろうけど、さらにさらに~。髪ゴムを使って、と」
 私に残されていた最後の自由だった親指同士を、喉の辺りで重ねるようにして、髪ゴムで纏めて縛る麗子。
 自分の身体自体が、私の身体の自由を奪う拘束具として、余すことなく活用されていた。
「これがほんとの自縄自縛……ってね」
 麗子はそう得意げに言う。
 私を私で完全に拘束してみせたのだ。

つづく
[ 2019/08/03 13:44 ] 小説・短編 軟体化薬 | TB(0) | CM(0)

軟体薬 2


 その時の感覚は、なんといえばいいのかわからない。
 脚が向いてはいけない方向を向いているのに、痛みはなく。
 違和感だけが私が感じられる全てだった。
「えっ、えっ、ちょっと、待って、なに、してるの、麗子」
 バクバク、と心臓の鼓動が鳴り響く。
 鼓動があまりにも激しくて、途切れ途切れにしか喋れなかった。
「軟体薬の効果を手っ取り早く実感してもらおうと思ってね」
 私の後ろから、飄々とした麗子の声が聞こえてくる。ちょっと恨めしい。
 麗子の両手が、私の脚を纏めて握っているのがわかる。それだけなら特に気にすることもないことだけど、身体の向きと脚の向いている方向が余りにも違い過ぎて、頭が混乱していた。
 だって、私は普通に座って、前を向いているのに、両足の感覚が後ろにあって、爪先が天井を向いているのがわかるのだ。
 軟体芸を得意とする人であっても、膝をまっすぐ伸ばしたまま、百八十度どころか三百六十度開くことなんて出来るのだろうか。
 私が知らないだけで、出来る人は出来るのかもしれない。
 けど、少なくとも、身体が硬い私に出来ていい開脚の角度でないことは、確かだった。
 しかも、麗子の暴挙はそれだけでは終わらなくて。
「顔打たないように気をつけてー。いくよー」
 両足を合わせたまま、いきなり足首を持ち上げた。
 そうなれば私の身体は当然前に倒れ――慌てて両手を目の前の床につき、顔面を打つのは免れた。
「ひゃっ! あ、危ないでしょ!」
「ごめんごめん。でもまだここからだぞー」
 逆エビ反り、という体勢がある。まっすぐに伸ばした身体を、前屈方向じゃなく、背面方向に折り曲げる体勢だ。
 プロレスでいう『逆エビ固め』の方がわかりやすいかもしれんあい。
 その形に、麗子は私の身体を折り曲げているのだけど――問題は、その脚の向きだ。
 普通、逆エビ反りの形になるとき、脚の先は天井を向くはずなのに、いまの私の身体だと、爪先が私の方を向いている。
 普通の人が同じ体勢を取ろうとしたら、股関節を脱臼させないと無理だろう。
 そんなあり得ない形状に、私の身体はなっていた。
 そんなあり得ない形なのに、私の頭は正常に脚の感覚を伝えてきて、痛みはまったくといっていいほどない。
 逆にそれが恐ろしかった。
「ちょ、待って、麗子! これ、怖い! 離して!」
 暴れたら本当に股関節が脱臼して仕舞うんじゃないかと思い、暴れることも出来なかった。
 自分の身体の状態が怖くて、ほとんど涙声になる私に対し、麗子は安心させるように囁きかけてきた。
「大丈夫だって。……とりあえずこの状態でキープして……っと」
 いつのまに取りだしたのか、麗子はお弁当箱の蓋を留めるような太くて柔らかいゴムバンドを使って、私の両足首を揃えた状態で固定してしまう。
 麗子が手を離しても、私は脚を動かせなかった。
 奇妙な形に折り曲げられてしまったことで、身体をどう動かしていいのかわからなかったのだ。
 ゴムバンド一つで腰から下の動きを完全に封じられてしまった。
 なんとかそのゴムバンドを外せないかと、まだ自由な手を後ろに回そうとして――手を麗子に掴まれた。

つづく
[ 2019/08/01 23:46 ] 小説・短編 軟体化薬 | TB(0) | CM(0)
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