FC2ブログ

白日陰影

箱詰系、拘束系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 1

 利用者がヒトイヌとなって遊ぶヒトイヌ公園――その一角に存在するモニタールームで、その様子は監視されていた。
「女島号と美雲号、公園内に解放開始しました」
 公園内でのヒトイヌの呼び方は色々だ。
 本名に「号」を付けて呼ぶこともあるし、本人の希望でヒトイヌ用の名前を持つこともある。
 今回は競技性を意識し、それぞれの名前に「号」を付けて呼ぶことになっていた。
「モニター1番を女島号に、モニター2番は美雲号に合わせろ。モニター3番は公園の全体マップ。他のヒトイヌの場所は赤点で表示」
 モニタールームの大きな画面の内、1番から3番が指示通りの映像を映し出す。
『さあいよいよゲームスタートです! 二頭のヒトイヌが一気に飛び出していく-!』
 実況担当の職員がノリノリで解説を交えながら実況をしていた。
 それを聞くとはなしに聞き流しつつ、裏方の仕事が主な男性職員は、のんびりと呟いた。
「……さて、どちらが勝つかな」
「女島号の方が有利だとは思いますね。普段の傾向からすると、運動量が違います」
 ヒトイヌ公園は広い。どうしてこんな広い敷地を確保できたのかと思うほどの広さがある。普通に人間として歩くだけでも、公園内を移動するのは一苦労だ。
 ましてや、四つん這い状態でしか動けないヒトイヌなら、なおさらである。
 下手をすれば移動するだけでタイムアップという可能性もあった。
「実際、事前予想では女島号有利ですね」
 ふたりのゲームの様子は、会員専用チャンネルで予想ゲームとして公開されていた。
 現金はかかっておらず、公園内での施設の利用に関する無料チケットなどがもらえる体だ。女島と美雲のデータは本人が特定できないように提示されており、それを見て観客は勝者の予想をしている。
「どれどれ……ふむ。突発企画にしては十分な観客数だな」
 企画自体は元からあるもので、準備などはさほど多くない。
 多数のヒトイヌが参加するならともかく、二頭のヒトイヌだけなため、突発でもギリギリ放送する準備が間に合ったという状態だ。
「たぶんこれからもっと増えますよ。いまはたまたま時間の空いていた人が見ているだけでしょうから。会員向けのメルマガで開催告知は回しましたし」
「女島号と美雲号にも、終わったら映像を見せて差し上げないとな」
 基本的にヒトイヌ公園内は撮影しているものとして、最初に許可を取ってある。
 今回のように特別に企画として放映するのは珍しいが、基本的には撮られているのは承知の上で、利用しているのだ。それは公園側の都合だけではなく、利用者同士のトラブル防止のための処置でもある。
「盛り上がりますかね?」
「わからんが、そこは二頭に頑張ってもらおうじゃないか」
 突発で始まっただけに仕込みはほぼない。意図的な盛り上がりを作ったり、サクラを仕込んだりもしていないわけで、もしかすると地味な試合展開のまま終わる可能性もあった。
 とはいえ、大体の利用者はヒトイヌが健気に動き回っている映像だけでも楽しんでみてくれるだろうから、無理に盛り上げる必要はない。
 それでもできるならハラハラドキドキ、楽しんでみられる試合展開を見せて欲しいというのが、運営者側の偽らざる本音だった。
『おおっと? これはすごい――!』
 実況者が興奮気味に声をあげたのを聴き、モニターの監視に戻る。
 モニターの中では、身体能力に定評のある女島号が、さっそく勝負をしかけていた。

つづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 2

 ヒトイヌになった美雲っちを愛でるつもりが、なんで二人ともヒトイヌになっているんだろう。
 私はいまさらながら妙な状況になってしまっていることに気づいたけど、いまさらやっぱりやめるなんてことが出来るわけもない。
 ゲーム、といえども勝負ごと。つまりは試合。
 小・中・高と体育会系の部活で過ごしてきた私は、例え練習試合だろうとミニゲームだろうと決して手を抜かないことを信条にしてきた。
 だから、この珍妙な『ヒトイヌ拘束脱出ゲーム』に対しても――常に全力だ。
(美雲っちはインドア派……普段の運動量から言っても、私が圧倒的有利だけど、それは手を抜く理由にはならない!)
 私は短くなった手足を動かして、転ばないように注意しつつ、一気に美雲っちを引き離す。
 ヒトイヌ拘束で動き回るのは初めてじゃない。本物の犬のような速度はでなくとも、普通の人がは綾歩きする程度のスピードは出ていた。
 一歩脚を先に進めるたびに、全身のラバーがギチギチと軋む。
 自慢じゃないけど大きなおっぱいが、ブラに抑えられているとはいえ、揺れているのがはっきりわかって少し恥ずかしい。足を前後に大きく動かす度に、股間に埋め込まれているものの存在をはっきり意識してしまい、つい足を開き気味にしてしまう。
 不自由な体を激しく動かしていると、すぐに息があがってしまう。鼻呼吸は穴が空いているとはいえマスクに遮られて、熱い吐息が一部戻ってきてしまって苦しい。だから口で呼吸する方が楽なのだけど、そうすると体勢的に涎が垂れて来て、舗装された遊歩道に涎の跡が残ってしまう。
「ハッ、ハッ、ハッ……」
 呼吸音だけ聞けば、犬のそれと全く変わりがない。自分がヒトイヌという存在になっているのだという自覚を強制されてしまう。
 私はトリップしてしまいそうになる自分を戒めつつ、ひたすら両手両足を動かした。体中に汗が滲んで、ラバースーツと擦れる音がさらに大きくなる。汗をかいてスーツ内が蒸れる。熱が籠るのである程度進んだら適度に休まなければならないだろう。
 しばらく無心で遊歩道を走っていると、突然、胸と股間の器具が小さく振動し始めた。
 はっとして遊歩道の先を見やると、一頭のヒトイヌが飼い主さんらしき男性にリードを牽かれて歩いているのが見えた。
(そういえば他のヒトイヌに近づくとバイブが振動するって言ってたっけ……!)
 私は慌てて遊歩道を外れて、大回りしてそのヒトイヌをやり過ごす。
 真横を通る際、私に気づいた飼い主さんが、私に向けて手を振ってくれた。
「がんばれー、負けるなよー」
 当たり前だけど、他の利用者さんには私たちのことが通知されているみたいだった。私は恥ずかしくなって赤くなった顔を俯けつつ、素早くその場を離れる。
「うおっ、はやっ……ミチルもあれくらい動けるようにならないとな」
 遠ざかりながらも、私の動きを見て感心したのか、そんなことを男の人が話しているのが聞こえてきた。褒められて悪い気はしない。
 運動しなれている私を基準にするのは可哀想な気もするけど……それは彼と彼女の決めることだ。
 無事やりすごすと、胸と股間のバイブが止まった。距離があったからささやかな振動だったけど、危うく快感に流されるところだった。
 勝負はまだ始まったばかりだ。
 私は疼き始めた心地よい感覚を体の奥に押し込め、目的の場所を目指して再び動き出す。

つづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 3

 ヒトイヌになった女島さんを可愛がるつもりが、なんで私までヒトイヌになってるんだろう。
 職員さんに乗せられてしまった感が強いけど、いまさらやめるということもできない。女島さんほどではなくとも、私も結構負けず嫌いではあったからだ。
 それに、普通の競技なら私が女島さんに勝てる要素はないけど、このゲームであれば勝てる可能性があるというのも、つい乗せられてしまった理由だった。
(とはいえ……やっぱり女島さんはすごい)
 私はすでに遠くに行ってしまった女島さんを見た。本当に体力馬鹿なんだから。
 ヒトイヌ拘束を施された状態であんなに速く走れるなんて、女島さんくらいじゃないかしら。飼い主である私にとっては自慢できることだったけど、勝負の相手としては非常に分が悪い。
 普通のかけっことかだと絶対に勝てなかっただろうから、この形式の勝負で良かったと思う。上手くすれば女島さんを出し抜くことも可能なはずだ。
(……でも、女島さん大丈夫かな。あんなに走って……いくら運動しなれてるとは言っても)
 ラバースーツの中は結構蒸れる。あんなに走ったら中はすごいことになっているはずだ。
 そんなに全力で走っていない私でさえ、すでに汗ばみ始めているくらいだし。
(でもまあ、危なくなったら公園からストップがかかるはずだよね)
 以前、私が女島さんをヒトイヌ状態にして公園で遊んでいた時、互いに盛り上がり過ぎてかなりの負担を女島さんにかけてしまったことがあった。
 その時、首輪に取り付けられた装置によってバイタルをチェックしていた職員さんから、体調に注意するようにと放送が入ったものだ。あの時は女島さんもかなりフラフラになっていて、危ないところだった。
 安全にヒトイヌプレイを楽しめるこの施設には本当に感謝しかない。
 ともかく、女島さんの心配はいまはしなくても大丈夫だろう。ほんとうに危なければ止めてくれるという施設に対する信頼はある。
 私は短くなった手足を懸命に動かして、道の脇にあるヒトイヌ用の通路に降りて行った。女島さんは普通に走っていったけど、施設内の設備を使っちゃいけないというルールはない。
 ヒトイヌ移動用のトロッコも当然、禁止されてはいないはずだった。私たちは普段どっちかが飼い主という立場で公園を利用しているから、このトロッコは初めて利用する。
 女島さんは忘れてたみたいだけど。覚えておいて良かった。
(というか、これが使えなかったら女島さんに勝てないし)
 禁止されている可能性もあったけど、入口前まで来ても何のアナウンスもないから、やっぱり禁止はされていなかったみたいだ。
 私は不自由な体で、床にあるボタンに首輪を触れさせてトロッコを呼び出す。その際、胸が地面に擦れてピリピリとした快感を生み出した。
 トロッコが禁止されていない理由として、素のままじゃ女島さんには勝てないと言う理由もあるのだけど、もうひとつ理由がある。トロッコ利用には、相応のデメリットがあるからだ。
 それも運次第だと思っていたのだけど、トロッコが近づいてくると同時に、さすがにそれは虫がよすぎるということを知った。
 なぜなら――私の膣に埋め込まれたバイブと、金属のブラに着けられた電動パッドが、小さく振動し始めたからだ。

つづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 4

 ヒトイヌ移動用のトロッコが近づくにつれ、ささやかな振動だったそれらの器具は明確に私に快感を与えようという動きに変っていた。
(ああ、やっぱり……そう甘くはいかないか)
 私はトロッコの到着を待ちながらそう思う。私たちが取り付けられたブラのパッドや、膣のバイブは他のヒトイヌに近づけば強く振動するようになっている。
 そして、トロッコは一両編成ではなく、複数両が連なって運行されていた。
 それはつまり、他のヒトイヌが利用していた場合、私は離れることも出来ず、ひたすら強い振動に耐えなければならないということだった。
「くぅ……んっ」
 私も女島さんも、相手をヒトイヌにして愛でたい気持ちはあるものの、ヒトイヌになること自体に興奮することも事実。
 ここまでヒトイヌ状態で移動してきたことで、だいぶ出来上がっていたいまの私に、その振動はかなり凶悪だった。
(どうしよう……このトロッコはスルーして次のトロッコを待つ……?)
 そういう選択もありだと思った。けれど、よく考えてみると必ずしもヒトイヌが乗っているわけじゃないかもしれない。
 なぜなら、ヒトイヌ公園の利用者が都合よく常にトロッコに乗っているとは限らないからだ。もしかすると、運営側がトロッコに近づいたことでパッドやバイブのスイッチを操作している可能性もあった。
 公園の利用者はそう多いわけじゃないはずで、そうしないとトロッコ利用がデメリットにならない可能性が高い。
(まあ……確かめる方法もないからわからないけど)
 もしかすると本当にタイミング悪く他のヒトイヌが乗っているだけかもしれない。
 仮にこれを見送ったとして、次に来るトロッコにまたヒトイヌが乗っていないとは限らない。
 女島さんの運動能力を考えると、時間の浪費は敗北に繋がる。悩んでいる暇はない。
 私は意を決して、トロッコに乗り込むことにした。
 到着したトロッコからタラップが伸びて来たので、それを伝ってトロッコの中に入る。その位置は三両編成のちょうどど真ん中で、前後のどちらかの車両に他のヒトイヌが乗っているみたいだった。
 その距離は壁を隔てているとはいえ、30センチもないだろう。それだけ近づいてしまったものだから、パッドもバイブもほぼ最大の振動率になっているはずだった。
 体の中を抉られるような、そんな震えが全身に伝播する。
「ウゥ……ッ!」
 この音は相手にも聞こえているのだと考えると、とても恥ずかしかった。わざわざパッドやバイブを最大にしてヒトイヌに興じている淫乱だと思われているだろうか。
 これはゲームの設定であって、私の意思じゃない――そう言いたいけど、人間の言葉は封じられている。
 私はトロッコが目的地まで移動するまでの間、身体を震えさせる振動に耐え続けた。

つづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 5

 ヒトイヌ公園で支給されるヒトイヌスーツは、驚くほどの快適性を実現している。
 多少なら汗を掻いても、ちゃんと吸収してスーツ内の環境を快適に保ってくれるのだ。
 けれど、さすがに今回の私ほどの全力疾走は想定されていなかったのか、スーツ内で流れた汗がものすごいことになっている感触があった。肘や膝のあたりが特に湿っているような感覚がある。
 さすがにちょっと気持ちが悪い。
 でも、それにしてもこれだけ汗を掻いたなら、逃げ場のない汗がもっと溜まって気持ち悪く感じるものじゃないだろうか。
(全身ラバースーツに覆われてる以上……漏れ出たりはしないはずだけど……)
 そんなことがふと気になって、後ろを振り向いてみた。
 すると、そこには想像もしていなかった光景があった。
(……!? これ、もしかして……私の足跡!?)
 私が歩いてきた道に、明らかにおかしな足跡が残っていたのだ。
 肘と膝の四点で体を支えている私の足跡とは思えない、本物の犬の足跡のような形に地面が濡れて残っていた。プールからあがった時の足跡が、乾いたプールサイドにつくような感じ。
 恐らく肘と膝のところに当てられたクッションに、そういう風に足跡がつくような仕組みがあるのだと思う。試しに足下で何度か足踏みをしてみると、その場所に犬の足跡みたいな湿った跡が残った。
(えっと……確かにたくさん汗は掻いたけど……ここまでになる?)
 道を見返してみれば、結構な距離に跡が続いている。これだけの跡を残せるほどの汗を掻いていたら、これはもう脱水症状とかいうレベルじゃないのでは。
 恐ろしく感じていると、突然、耳元で声が響いた。
『その足跡についてはご安心ください。汗など、ある程度の量の水分を吸収すると、そのような隠し機能が動くようになっています』
 びっくりしたけど、そういえば犬耳に実況用のスピーカーが内蔵されているんだった。
 いまのタイミングできちんと放送があったということは、当然だけど私たちの動向は常にチェックされているということ。見られているというのはちょっと恥ずかしいけど、それはそれで安心する材料ではあった。
『なお、その足跡がつくというのは、非常に水分を消費している状態であり、大変危険です。運営からの要請として、水分補給を行ってくださいますよう、お願いいたします』
(なるほど、そういう指針にもなっている、と……)
『指示に従っていただけない場合、女島様の敗北となりますのでご留意ください』
 つまり、まずは水分補給をしてからゲームに復帰しろということね。
 せっかく頑張って走った甲斐がないけど、体調優先なのは当たり前だ。私は出来る限り急いで水分補給をしようと、休憩所を探して辺りを見渡す。
 確か休憩所ではヒトイヌ状態でも水分補給できる設備があったはず。
 そう思って周囲を見渡したのだけど、運の悪いことに近くに休憩所らしきものは見当たらなかった。ちょうど間の悪い時に気づいてしまったようだ。
(これは……どっちに進めばいいの……?)
 水分補給をする気がないと思われるのは困るけど、ここから通り過ぎた休憩所まで戻るには随分時間をロスしてしまう。
 困っていると、再び放送が鳴った。
『そのまま前方に進んでください。茂みを抜けた先に給水所をご用意しております』
 私たち二人のためだけに至れりつくせりにもほどがあると思ったけど、都合は良かったのでその指示に甘えることにする。
 遊歩道に足跡を残しつつ、私は給水所へと急いだ。

 そこで何が待ち構えているかも知らずに。

つづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 6

 狭いトロッコの中でじっとしながら、体内に埋め込まれたバイブと外から刺激を与えてくるブラパッドの震動に耐え続けるというのは、正直かなり辛いものがあった。
「フゥ……ウゥ……ッ」
 自由にならない身体を捩らせ、ラバースーツの軋む音を響かせながら、私は口から流れ落ちる涎を止める事も出来ずに見つめる。
 トロッコが目的地に着くまでの辛抱とはいえ、逃げ場のない場所で延々と刺激を与え続けられるのは辛かった。
 元々、震動する強さ以外はさほど特徴の無い震え方をするバイブとパッドであるため、いうほど気持ちよくはない。……訂正。気持ちはいいけど、絶頂に至れるほどか、というとそうじゃない。
 だから私は延々震動によって昂ぶらせられているにも関わらず、すんでのところでそれが解消されないという状況にある。それはかなりの責め苦だった。あともう一押し、刺激を与えられればイけるのに、それが成されない。
 もしこれが女島さんによって管理されているときであれば、ほどほどのところでイかせてくれるのに。
(意地を張るんじゃ無かったかな……)
 早くも、私はこのゲームに乗ってしまったことを後悔しかけていた。
 バイブやパッドによって与えられる無機質な快感は味気ない。
 愛するご主人様の手で、絶頂に導いて欲しい。
 そんなヒトイヌとしての――いや、雌犬としての本能が頭の片隅で囁き始めていた。
(いっそ、リタイアしてしまおうかな……)
 弱気になってそう思いかけた私の思考を遮るように、トロッコが減速する感覚がして、止まった。
 どうやら目的地に着いたようだ。私は弱りかけていた気持ちを持ち直す。
 トロッコから出て、他のヒトイヌから離れてしまえばこの厄介な震動も収まるはず。
 改めて気を入れ直した私は、開いたトロッコの扉から外にでた。
 幸い、同じトロッコに乗っていた別のヒトイヌの目的地は違ったようで、私だけを降ろしてトロッコは再び出発していった。
 トロッコが遠ざかるにつれ、私の心を弱らせていた震動は収まっていき、私は人心地つくことが出来た。
(危ない危ない……もうちょっとで負けを認めるところだった。ヒトイヌになってる時はいつもより快感に弱いから……注意しないと)
 冷静になって考えれば、もしこんな序盤でリタイアしようものなら、スポーツマン気質の女島さんは間違いなく怒る。負けず嫌いではあるけど、それと同じくらい勝ちを譲られるのが嫌いな人だった。
 対戦ゲームであまりにも女島さんが弱かったから、わざと負けてあげた時のことを想い出す。あのときは拗ねに拗ねて大変だった。可愛くはあったけど。
 もしいまの段階でリタイアして彼女主体の責めになっていたら、そのお仕置きとして女島さんの手で焦らしプレイを施されていたかもしれない。
(そんなのはごめんだわ……負けるにしたって、健闘を称えて優しくしてくれる程度には競わなきゃ……!)
 私は改めてそう決意を固め、勝つ気でゲームに戻った。
 トロッコが到着したのは、ヒトイヌ状態で利用できる娯楽室だ。私の読みでは、この施設に鍵が一個は必ずあるはずだった。
 野外にも施設はいくつかあるけど、野外だけあって探す場所が広い。その点、娯楽室なら見るべきところは限られているし、なんとなく察しも付く。
 ただ、誤算がひとつ。
(なんで……なんでこんなにヒトイヌがいるの……!?)
 施設内に入って見て私は驚いた。入口から見えるだけでも、数頭のヒトイヌが娯楽室で思い思いに寛いでいたのだ。
 普段、私たちが利用する時にはそんなに利用者が少なかったから油断していた。いても一頭か二頭だと思っていたから、これは完全に想定外だ。
(こ、こんな場所を……探さないといけないの……?)
 娯楽室内のヒトイヌに反応してか、バイブとパッドが震え始める。
 せっかく立て直した心が、再び不安に揺らぎ始めていた。

序盤編・おわり
探索編につづく
カウンター
プロフィール

夜空さくら

Author:夜空さくら

はじめに
当ブログは箱詰・拘束系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。