FC2ブログ

白日陰影

箱詰系、拘束系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

ヒトイヌフェスティバル


「うわぁ……なにこれ……」
 思わず、そんな声が出た。
 目の前にはとても広い公園。
 茂みなどが少なく、開けた運動場。
 そこにいる、ヒト、ヒト、ヒト。テレビで見るような人混みに比べれば、人数自体は遠く及ばないにしても、どちらの光景に圧倒されるかといえば、断然いま目の前に広がっている光景だと百人中百人が言うに違いない。
 それくらい、目の前に広がっている光景は圧巻だった。
 なぜなら運動場に溢れんばかりに揃ったヒトたち。

 そのほとんどが、ヒトイヌなのだから。

 身体をラバースーツに彩られ、四肢を拘束され、マスクを被せられ、口枷を噛まされたヒトイヌたち。
 ヒトイヌが感情を表現するために体内に挿入されている尻尾が、それぞれの感情を反映し、揺れている。
 複数同時にいるだけでも珍しいだろうに、目の前の広場には数十を越えるヒトイヌが集まっていた。ラバースーツの黒と、白い素肌の対比が目に眩しい。ヒトイヌは個体ごとに身に付けている装備が微妙に違うため、それぞれを見比べるだけでも楽しかった。
「……ほんと、すごい……っとと。ごめんよ」
 移動しようとして、危うく足下にいたヒトイヌを蹴っ飛ばすところだった。
 当然ヒトイヌも避けてくれるのだが、視界や動きがかなり制限されているから、普通に動けるこちらが注意しなければならない。
 うっかり不注意で出禁になったりしたら大変だ。
 気をつけて移動しながら、彼は改めてこの「ヒトイヌ公園」の特異性に圧倒されていた。


 十一月十一日。
 わんわんわんわん、で犬の日とされているその日。
 犬と聞いたら思わず反応せずにはいられないのであろう、ヒトイヌ公園でもイベントが開催されていた。
 題して「ヒトイヌフェスティバル」。
 普段この公園ではヒトイヌからも入園料や施設利用料を取っているが、この日は大盤振る舞いの無料開放。すべての施設が自由に使える。
 さらに、事前に予約し、個別に相談することで、参加のための協力までしてくれる。具体的には送迎手段の確保やアリバイの作成。
 住まいが遠くの人にはなるべく長く楽しめるように前日からの宿泊までをサポート。噂では全ヒトイヌ会員の九十九パーセントが参加しているとかいないとか。
 とんでもない無償奉仕にもほどがあるが、その甲斐あって、いまだかつてない規模のヒトイヌ愛好家が集まっていた。以前、この公園ではヒトイヌ拘束脱出ゲームというイベントが開かれていたが、その時ですら比べものにならない。
 数十のヒトイヌが思い思いに過ごしている様は、この趣味嗜好を持つものにとっては天国か極楽か。ヒトイヌとなっている者も、仲間が人よりもたくさんいる特殊な環境ゆえか、いつもよりリラックスしているように見えた。
 現在、ヒトイヌ入場に制限はないが、人の入場には制限がかかっている。
 普段の公園はヒトイヌ愛好家の中にも、ヒトイヌになりたい者とヒトイヌを愛でたい人がいて、ヒトイヌよりも人の方が多いのが普通だ。
 ヒトイヌに「同時に接触できるのはふたりまで」、「一日に設定された人数以上の接触は禁じられる」といった制限があるため、ヒトイヌが人に囲まれて困ることはないものの、ヒトイヌになりたいという者より人の方が多いのは自然なことだろう。
 だがいまは愛でる側の入場が制限されているため、ヒトイヌの方が圧倒的に多くなっている。
 ちなみに制限にかかって公園に入れなかった者に対しては、公園の外に特設会場が用意されていた。
 そこでは、公園内の様子を自由にモニタリングすることができたり、限定映像の入ったディスクやグッズなどを販売会でゲットしていたり、高名な調教師の座談会が開催されていたりと、そちらはそちらで盛り上がっていた。
 どう考えても赤字ではあろうが、それを少しでも緩和するための手段も取っているあたり、なんだかんだちゃっかりしているのである。


 広場にいるヒトイヌは、接触オーケーのヒトイヌたちだ。
 そのためか、膝を突いて触ろうとすると、一斉に寄ってきて触って欲しいと求めてくる。よく動物園などの触れ合い広場などで、餌を持った客に動物が殺到する場合があるが、まさにその光景と同じだった。
 その集まってくるのがヒトイヌという存在なのだから、愛好家にはとんでもなく贅沢で、かつ信じがたい光景である。
「うわ……っ、ははっ、なんか、もう、最高!」
 どのヒトイヌから触ろうか、などという実に贅沢な悩みを覚え、思わず笑み崩れながら彼が手を伸ばしてヒトイヌたちの頭や背中を撫でる。
「くぅん……っ」
「わふっ、わふっ」
 気持ちよさそうに目を細めたり、くすぐったそうに身を捩ったり。
 ヒトイヌの中でも人懐っこい性格の子たちが、彼に殺到していた。ちなみに、これは普段からそうだが、公園内に入ることの出来る人は選ばれた存在だけである。ヒトイヌ拘束され、抵抗出来ない者たちがいる場所に、下手な者を入れるわけにはいかないのだから、選別は当然だ。
 重んじられるのは性格や性質。怒りっぽかったり不機嫌になりがちだったりする精神的に不安定な者はまず真っ先に排除される。自分のためではなく、ヒトイヌが快適に過ごせるように言われなくても努力する者は許可がされやすい。
 彼もそういう人間のため、なるべくたくさんのヒトイヌを満足させてあげるべく、順番に集まったヒトイヌたちに構ってあげていた。
 そして、そういったきめ細かな気配りが見られると、当然ヒトイヌたちもそれを察し、彼と遊びたがる。
 結果、彼には八頭ものヒトイヌが付いて歩いていた。常ならばあり得ない光景に、彼も嬉しくなってしまう。
「よし……それじゃあ、遊ぼうか!」
 そういって彼が取り出したのは、色とりどりのボールだ。それをヒトイヌ一頭一頭に咥えさせていく。
 今回、広場に集まったヒトイヌたちは、口枷を共通の機能を持つものに揃えられていた。形や方式は細かく違うこともあるが、機能だけは共通している。その共通した機能のひとつが、ボールなどを咥えて運ぶことの出来る機能だ。
「よし、皆自分の咥えたボールの色は覚えておいてねー。それで呼ぶから」
 ヒトイヌごとの名前はわからないため、便宜上の呼び名代わりというわけだ。
「赤色の! 取っておいで!」
 呼びかけながらボールを受け取り、軽く放る。それに向かっていくヒトイヌ。動き方や癖を観察し、どの程度の距離に投げればいいかを見極めていく。
 全員にほどよい運動をさせるための気配りもまた愛でる者の義務なのだ。
 そして、全員にほどよく汗を搔かせたあと、彼は飲み物を準備した。
「水分補給もちゃんとしないとね。一頭ずつ来てー」
 水分補給用のボトルは先端が尖っていて、口枷に差し込んで呑ませるようになっている。
 まるで赤ん坊にミルクを与えるような姿にも見えるが、彼はいたって真剣だ。ヒトイヌたちも恥ずかしそうにしながらも、一頭ずつ水を飲ませてもらう。
 似たような光景が広場のいたるところで繰り広げられていた。
 遊び方に工夫する者、ブラッシングをするように全身をくまなく撫でてあげる者、積極的に性的な快感を与えるようにしている者など、それぞれの愛で方でヒトイヌを愛で、ヒトイヌ側が求める愛でられ方をされにいく。
 ヒトイヌ愛好家たちの楽園がそこに現出していた。


 普段からフレンドリーなヒトイヌも多いけど、ヒトイヌの中には当然特定のパートナーとのみ交流したいという者もいる。
 むしろ、普段はそちらが主流だった。特定の相手以外の接触は不可にして、パートナーとプレイを楽しむ。
 ただ、大規模なイベントということで、今日だけ誰とでも接触可能としている人が多いみたい。
 まあ、完全無料解放の条件がそれだから、大半はそれが目当てなんだろうけど。
(乱暴されたりはしないにしても……みんな、よく他人からの接触を許可するわよね……)
 更衣室のモニターに映し出された公園内の様子を見ながら、私はひとつため息を吐いた。
「どうかなさいましたか? 何かご不安が……?」
 そのため息を聞かれていたらしい。
「っと、すみません。なんでもないです」
 そう慌てて言いつくろう。
「ちゃっちゃと着ちゃいますね」
 私はいまから、イベント中の公園にヒトイヌとして入ろうとしていた。
 ヒトイヌ拘束を楽しみたい私にとって、この公園はとても都合がいい。普段は誰からの接触も禁止して、拘束を存分に楽しんでいる。
 接触や記録を完全に拒否する場合(映像などに映り込んだ場合は加工して消してくれる)、ヒトイヌ利用だとしても、公園の利用料は金額的に決して安くは無くなるのだけど、ここでしか出来ない体験が出来るのだから妥当だと考えている。
 今回はイベントということで、元々利用料はかなり安い。
 完全許可ではないコースを選択したから、無料にはならなかったけど、それでも破格の安さでヒトイヌ拘束をしてもらえるということで、利用しに来たのだった。
(まずは……と)
 全裸になった私は、早速ラバースーツに手足を通していった。ツナギのように全身一体のそのラバースーツは、私の身体のラインをいやらしく強調し、また全身を余すところなく締め付けてくる。
 潤滑油なのか汗なのかよくわからない物が身体とラバースーツの摩擦を弱め、キュッキュッと小気味のいい音を立てて、私の身体にまとわりついてくれていた。
(うん、この感覚……やっぱりいいラバーは感触が違うわねぇ)
 自前のラバースーツは持っているのだけど、比較的安いものだからかこれほどいい着心地はしない。家でこっそり遊ぶ用としてはそこそこ満足だけど、長時間身に付けるのにはやはり公園のラバースーツが一番だ。
 皺が出来ないように慎重に着ていった結果、スーツがぴっちぴちになって、身体の膨らみがより強調され、立っているだけでも恥ずかしい。
 他のヒトイヌの中には四肢の拘束だけでヒトイヌとなる猛者もいたけど、私はなるべく素肌を露出することのない格好を選んでいた。
 公園内を動き回る際、それが一番安全だと思っているからだ。実際は素肌で転がり回っても問題ないほどに公園内は整備されているのだけど。
(考えてみれば、その整備費だけでもすごい額でしょうに、こんな無料奉仕みたいなイベントをやってて大丈夫なのかしら……?)
 一利用者に過ぎない私が言っても仕方ないことだとは思うけど、経営は大丈夫なのだろうか。そんな疑問はさておいて。
 私は次に用意された道具を手に取った。それは、細いアナルプラグと連動した尻尾。
 軽く先端を唾液で濡らし、ちょっとがに股になりつつそれをお尻の穴へと差し込んでいく。係員とはいえ人の前でそういうことをやるのは死ぬほど恥ずかしいけど、かといって自分の性格的に人に任せることも出来ないのだから仕方ない。
 異物がお尻に入って来て、思わず括約筋で締め付けると、お腹の中で傘が開いたような間隔があった。
「う――ひぃっ!」
 わかっていたのに、突き上げるような衝撃を感じて変な声が出てしまった。死にたい。
 私は真っ赤になっているであろう顔をうつむけて隠しつつ、手早く次の道具に移った。
 どうしようか迷っていたけど、結局選んでしまった張り子付きラバーパンツ。それを普通のパンツを履くように足に通し、前の穴に張り子が収まるように引き上げていく。
 あらかじめ塗られていたオイルと、自分自身の分泌した液が潤滑油となり、あっさりと張り子は私の中に入り込んできた。いまは指一本くらいの細いものだというのもあるのだろうけど。
 ラバーパンツは肛門に干渉しないようになっている。しっかり腰まで引き揚げ、位置を調整した後、係員にお願いして特殊なスプレーをかけてもらった。それによってラバーパンツはラバースーツに癒着し、再び薬を使わない限り脱げなくなった。いわば簡易的な貞操帯というわけだ。
 安全のことだけ考えれば金属の貞操帯の方がいいのだろうけど、なるべくごつごつしたものを取りつけたくない私は、この形状の貞操帯を愛用している。
 もし万が一不埒なことを考えている利用者に襲われたとしても、警備員が駆けつけるまでに犯されたりすることはこれでまずない。
「よし……次ね」
 ドキドキと心臓が跳ねる。次に私が手に取ったのはバイトギャグ。完全に言葉を奪うことを目的とした無骨な口枷だ。この公園専用の加工として、咥える部分と連動した、犬の顎のフォルムが作られている。口枷をかみしめたり緩めたりすることで、その顎の部分が開閉し、物を咥えることができる。水を飲むための機能もあって、人間としての言葉を奪いつつも、ヒトイヌとして色々出来るようにする、という理想と実用性に富んだものだった。
 それを大口を開けて咥え、頭の後ろでベルトを固定する。ベルトは横だけではなく、縦ににも走り、私の頭部をぎゅっと締め付けていた。
 さらにそこにイヤーマフのついた犬耳を装着。スピーカーとマイクがセットになったこの犬耳の効果で、まるで本当に頭の上側にある犬耳から音が聞こえているような、臨場感のある状態を実現している。
 なにより、このイヤーマフは結構可愛い。横の部分にヒトイヌ公園のシンボルである、犬の肉球を表現したマークがプリントされている。私は片方にマークをオリジナルのシンボルに変えてもらっていた。といってもあんまりあからさまなのは恥ずかしいので、肉球の一部をハート型にしてもらっているだけだけど。
 ともあれ、これで自分で出来る大まかな準備は終了。
 ちらりと係員の方を見ると、係員は心得ているとばかりに頷いた。
「それでは、手足の拘束をさせていただきます。四つん這いになってください」
 私は言われた通り、四つん這いになった。手足の拘束ばかりは、人にやってもらうしかない。
 腕と足を折り曲げた状態で、袋状の拘束具に差し入れる。肘と膝に当たる部分にはちゃんとクッションがあり、比較的長時間四つん這いで動き回っても大丈夫なようになっていた。
 いくつもあるベルトを引き絞ってもらえば、私の四肢は折り曲げたまま、四つん這いで動くことしかできなくなった。
 この自由をほぼ剥奪された状態が心地よい。
 最後に赤いプレートのついた首輪を巻いてもらい、準備は完了。
「それでは参りましょう」
「ウゥー」
 更衣室から公園に出るまでの短い間、係員の彼女にリードを引いてもらう。
 人間からヒトイヌへ。短い時間でも人にリードを引いてもらうことで、その意識の切り替えがスムーズに行える。
 扉の前まで来ると、跪いた係員が私の首輪からリードを外してくれた。
「それでは、当公園をお楽しみくださいませ」
「ウゥッ」
 私はお礼代わりに唸ると、開かれた扉から公園へと繰り出した。
 公園内には、たくさんの人が――いえ、ヒトイヌがいた。
(うわぁ……すごいわね……)
 映像を見てわかっていたつもりだったけど、実際公園に入って見ると想像以上の数だ。
 広場はまだ遠いのに、多数のヒトイヌがそこら中をうろついている。

 追いかけっこをしているのか、道を走っているヒトイヌたち。
 芝生の中で、あられもない格好をしてくつろいでいるヒトイヌたち。
 身体や鼻先を擦りつけ合い、押し合い、じゃれ合って遊んでいるヒトイヌたち。
 茂みの影で、なにやら身体を重ねてどうやら交尾をしているらしいヒトイヌたち。
 歩いていて喉が渇いたのか、休憩所で水を飲んで一服しているらしいヒトイヌたち。

 とにかく、色んなヒトイヌが色んな形で自由に過ごしていた。


つづく

10月に書きすすめようとしている作品たち(※あくまで備忘録です)

白日陰影で途中になっている作品の一覧です。

・ヒトイヌ拘束脱出ゲーム(それぞれの目的地に到着するふたり。そこで待ち受けている鍵を得るためのミニゲームとは……)
[ 2018/10/01 18:43 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

肛門拘束(仮) おわり

 肛門と秘部を同時に責められ、ただでさえふらふらしている私に、彼は容赦なく追い打ちを掛けてきた。
「ほら、あともうちょっとだ。頑張れ」
 そう言いながら、あろうことか私の背後に回り、私を前に立たせたのだ。
 いままでは彼がある程度視線を遮る盾になってくれていた。だから、私は彼の背中を見て、ただ歩くだけに集中していれば良かった。
 けれど、その彼に前に押し出されると、私を守ってくれるものはなにもいなくなる。
「ひぅ……っ」
 悲鳴をあげそうになって、飲み込む。こんなところでそんな悲鳴をあげたら、彼もフォローし切れなくなる。警察を呼ばれて事情聴取なんか受ける羽目になったら一大事だ。
 だから、私はいままでと同じように、できる限り身体を曲げず、反らさずに歩き続けなければならない。
 だけど。
 いままでと違って、すれ違う人たちの視線がみえる。奇妙な格好をしている私を横目で見ていくのがわかる。首輪なんかはすごく目立つだろう。当然、そこから紐が前後に垂れているのもみえているはず。
 ひそひそ話している声が、私を嘲笑している声に聞こえてしまう。
「ん、ぎ……っ!」
 思わず身体を丸めそうになって、アナルフックが肛門を持ち上げた。
 慌てて背筋を伸ばすと、今度は前の穴が引っぱられる。前の穴に刺さっているバイブは震動しているから、その刺激は強烈だった。
 あまりの刺激に目の前に星が飛ぶ。気持ちいいのか痛いのか、よくわからなかった。
「あっ……う……!」
 刺激が強烈すぎて、私は思わずその場に立ち止まり、身体を震わせる。
 生暖かい感触が、私の股間に広がった。ざわめきや人の視線がさらに強くなったように錯覚する。
 失禁、という言葉が人ごとのように頭の中を過ぎた。
「げっ」
 彼がそんな声を上げるのが聞こえた。
 少し慌てた様子で私の隣に並び、首に繋げてあった紐を外す。前の方だけ。それだけでずいぶん楽にはなった。バイブの震動も止まっている。
 でも生暖かい感触は止まらず、太股や膝に広がり、靴下と靴が気持ち悪いくらいに濡れてしまった。
 呆然としている私の肩を抱き、彼は商店街の入口と急いだ。ざわめきが遠ざかる。
 商店街を脱出すると、彼は予め置いてあった車の助手席に私を座らせる――前に、席に大きなタオルを広げて敷いた。その上に私は腰を下ろす。ぐちゃり、と気持ち悪い感触が股間から広がった。
「あーあ……すまん。ちょっと刺激が強すぎたか……」
 彼は運転席に乗り込み、急いで車を発進させた。
 しばらく無言のまま車は移動し、商店街から十分離れた位置のコンビニで止まる。
「大丈夫か?」
 彼はそう言いながら私の両手を自由にしてくれる。
 そこに至って、私は漸く自分の状況に、思考を追いつかせることができた。
「わたし……あ、あんなところで……っ」
 顔から火が出るとはこういうことを言うのだと思う。
「漏らしちまったなぁ」
「ば、ばかっ!!」
 茶化すように言う彼の肩を思いっきり叩く。「いってぇ!」と彼は悲鳴をあげたが、それくらいは甘んじて受けてもらおう。
「な、なな、なんてことしてくれるのよ……!」
 私は顔を両手で隠して呻く。恥ずかしすぎて死にそうだった。
 でも彼はにやにやと笑ったままだ。
「いやー、ちょっとやりすぎたなぁ。悪い悪い」
「……絶対悪いって思ってないでしょ」
 ジト目で彼を睨み付けると、案の定良い笑顔を浮かべていた。
「めっちゃエロかったぜ? 正直、気持ちよかっただろ?」
「~~~っ! 知らないっ! 早く着替えたいから、車出してよ!」
 そっぽを向きつつ、そう叫ぶ。
 彼は笑いながら車を発進させた。
 今回も大変な目に遭わされてしまった。まあ、まだ現在進行形でアナルフックとバイブが入ったままなんだけど。
「しかし、イクと同時に漏らすとは思ってなかったな……次は大人用おむつでも上から履いてやるか?」
「二度とやらないから!」
 私はそう強く拒絶の声をあげておく。彼は笑うだけで何も言わなかった。
 そうして、その日のプレイは終わった。

 ただ、私が再びその日と同じような格好で――あるいはもっと厳しい格好で――街を歩くのは、それほど遠い日の話ではなかった。
 そう、私は――拘束されながら露出することに、嵌まってしまったのだ。

~肛門拘束 おわり~

肛門拘束(仮) 4

 前に屈んでも、後ろに反らしても、どちらかの穴が引っ張られる。
 秘部に入れられた方はゴム紐のせいで普通にしていても引っ張られてしまい、ただじっとしていることも許されない。
「よし、準備完了。いくぞ」
 肘の辺りを掴まれ、私は再び商店街を歩かされた。さっきよりもキツい。後ろだけなら平気になっていたのに。
 ふらつきながらも、なんとか耐えて歩く。体幹をまっすぐに保つことを意識して、必死に歩いた。
(うぅ……っ! ダメっ、前の奴が食い込んで来て……っ)
 ゴム紐の伸縮性自体はそんなに強くないはずだった。けれど、歩く度に中を満たしているそれの感触が走って、頭を震わせてくる。
 そしてそのことを意識してしまうと、つい秘部の中を締めてしまい、食い込んでいるそのフックの形をはっきり自覚してしまう。
 そしてそれと連動して、アナルの方にも力が入るので、慣れたはずのそっちの感触もさらに強く感じてしまっていた。
 それが嫌で前屈みになろうとすると後ろが引っぱられ、思わず仰け反るとまた前の方が食い込んでくる。
 前後の穴に与えられる感触に翻弄されつつ、顔や態度に出さないように懸命に歩く。そんな私の様子を、彼は楽しそうに見ていた。
「気持ちいいか?」
 こっそりと耳打ちするように聞いてくる。
「むっ、無理矢理穴を広げられているのよ? 気持ちいいと思う?」
 思わず憎まれ口を叩いた私に対し、彼は。
「そっか、じゃあ気持ちよくしてやるよ」
 そんな不吉なことを言った。
 その手には、ピンク色の、リモコンらしきものが。
「ま、待って……っ」
 それが何のリモコンかわからなくても、私は咄嗟に止めていた。それで彼が止めてくれることなんてないとわかっていたけど、言わずにはいられなかった。
 案の定、彼は応える代わりにそのリモコンのスイッチを入れる。
 それと同時に、衝撃が走った。前に挿し込まれたフック状の道具は、ただの張り子じゃなくて、遠隔操作できるバイブ機能付きだった。
「んくっ、ううっ……!!」
 思わずあがりそうになった声を抑えるようとして、思わず身体を丸めてしまう。
 そうすれば当然、肛門で銜え込んでいたアナルフックが引かれ、肛門が広げられる異様な感覚が走った。
「んぎい……っ」
「ほらほら、歩かないと不審に思われるぜ?」
 真横に立っている彼が、私を急かして促し、歩かせる。覚束ない足取りで、前に進むことを強制される。震動は止めてくれない。あまりに強烈な感覚に、いまにも気を失ってしまいそうだった。
 こんな普通の人たちもいっぱい周りにいる中で、秘部と肛門をフックに抉られながら、両手の自由もなく、震動による快感を与えられている。歩き方も不自然になっているからか、時折私の方を見て怪訝な顔をする人もいた。こそこそ内緒話をしているように感じるのは、自意識過剰だろうか。気づかれているのかもしれないし、そうでないのかもしれない。
 そんなシチュエーションの異常さに、かえって興奮してしまうのだから、私も彼のことを変態とは言えなかった。

つづく

肛門拘束(仮) 3

 二個目のアナルフックなんて使ったら、肛門がとんでもないことになる。
「ちょっと待って! 二個目はいや!」
 抵抗しようとする私の肩に彼が手を置き、宥めるように言う。
「しぃっ! 静かに! 見つかったらやべーだろっ。後ろ用じゃねーよこれは」
 そういう彼は、真剣な目をしていた。確かにいくら同意の上とは言え、見つかったら説明も面倒だし騒ぎになると誤魔化すのも大変だ。私はぐっと口を噤みつつ、彼に視線で問いかける。「どういうこと?」という意思を込めて睨むと、彼は冷静な様子で説明を始めた。
「いいか? こいつは前に使う。こうして……」
 彼が私の首輪の前に紐を結び、服の中を通して下半身の方へと垂らす。
 服の裾から彼が腕を突っ込み、紐はブラジャーの下を通された。その紐はちょうど私のあそこに届くか届かないかくらいの長さになっているようだった。
「そんでもってこの先端にこれをつけて、だ」
 さっき見せられたフック型の道具を紐の先端に繋げると、ちょうど私のあそこにその道具の先端が当たる。ズボンとショーツの中に手を突っ込んで道具の位置を調整していた彼が、不意にニヤリと笑った。
「……一応、ローションも用意しておいたんだが、この濡れようなら必要ないな?」
「……し、知らないっ」
 彼に指摘されるまでもなく、私のあそこが十分濡れているというのは自覚していた。
 その場所に彼がフックの先端を擦れさせ、そこから溢れる液体をそれに塗りつけた。
「尻穴を抉られながら歩いてただけだっつーのに、こんなに濡らすとはなぁ。お前が変態で俺は嬉しいぜ」
「……っ、ばかっ」
 言葉で煽られて顔が真っ赤になるのがわかる。顔を隠そうにも、腕の自由が利かないからどうしようもない。
 そんな風に私を言葉で煽りながら、彼はフック型の道具の先端を、私の中に潜り込ませてくる。道具はそれなりの太さで、私の内壁を抉ってきた。
「……っ、くぅ……っ」
「よし、こんなもんか。離すぞ?」
 そう彼がいうのを、私はてっきり、「離すから道具を落とさないようにしっかりくわえ込めよ」的な意味だと思っていた。結構大きな道具だったし、紐が繋がっていて、ショーツで押さえているとはいえ、そのままにしてると落ちるのではないかと。
 けれど、違った。
「っ……!? んあっ!?」
 彼が手を私のショーツから抜いた瞬間――私の中に潜り込んでいたそれは、私の首輪を引っ張り、私のあそこを上向きに持ち上げた。
 首輪に結ばれた紐が、ただの紐じゃ無くて、ゴム紐であったことに、この段階まで気づかなかった。縮む力が強いのか、まるで彼に指をひっかけて持ち上げられているような、そんな錯覚すら覚える。
「痛っ……っい、ぎぁっ!!」
 思わず前屈みになりかけて、アナルフックのことを忘れていた。前屈みになろうとした分、アナルフックが引き上げられて、思いっきり肛門が歪むのがわかる。
 激痛に目の前に星が瞬いた。

つづく

肛門拘束(仮) 2

 私は家の中で十分だと言ったのに、外を歩こうと提案してきたのは彼だった。
 いくらぱっと見は普通に見えるようにしているとはいえ、首輪は丸見えだし、よく見ればそこから伸びた紐が服の下に潜り込んでいるのは見えているはずだし、肘同士を結んでいるリボンもよく見れば腕の自由を著しく制限しているのもわかるはずだし、変態的なプレイをしていることが、いつ誰かに気づかれるんじゃないかとひやひやものだった。
 そのスリルに興奮してしまっているのだから、私には彼のことを変態という資格はないのかもしれない。


 彼の背に隠れつつ、商店街の散歩を続ける。
 歩く度にわずかな震動がアナルフックを引き上げ、気にしないようにしても意識せざるを得ない。
 それ以上引っ張られないように背筋をまっすぐ伸ばすと、それに伴って突き出された胸が揺れるのが気になる。
 自慢ではないのだけど、私の胸はかなり大きい部類に入る。
 なので、背筋を伸ばして歩くと、ただでさえ大きなそれを強調しているような状態になってしまい、かなり恥ずかしかった。
 隠そうにも両腕は拘束されているから動かせない。
 結果として、私は羞恥に耐えつつ歩き続けなければならなくなっていた。
 彼の方はといえば、私が胸を突き出すような格好で歩くのが嬉しいのか、いつも以上に笑顔だ。このおっぱい好きめ。
 ただ、そのコンプレックス一歩手前にある胸に注目しているのは、確かに彼だけじゃなく、道行く人もそうだった。すれ違う人のうち、大抵の人が私の突き出された胸に視線が一瞬吸い寄せられているのがわかる。老若男女関係ない。
 幼すぎる子供は別として、やっぱり私の大きな胸は目立つのだ。それを突き出して強調しているわけだから、注目されないわけがなかった。
 いつもの私は前屈みになってそれを隠そうとするのだけど、いまはそれをすると肛門が引っ張られてしまう。
 さっきの衝撃を覚えている私としては、気を遣って歩かなければならなかった。
(ん……少し、慣れてきた、かも……)
 歩き方によっては常にアナルフックが引っ張られ、肛門が刺激されてしまっていたけど、だんだんどう歩けばそういった刺激を与えずに済むのかわかってきた。
 胸が強調される歩き方なのは変わりないので、恥ずかしさは変わらなかったけど、これなら十分歩き切れそうだ。
 それを意地悪な彼が許すわけもなかったけど。
「ちょっとこっち」
 彼はそう言って私の肘辺りを掴んで、狭い路地に入り込む。
 急に何をするのかと思っていると、彼は私が商店街側から見えないように自分の身体を盾にしつつ、ポケットからとんでもないものを取り出した。
「だいぶ慣れたみたいだからな。第二段階に進もうじゃないか」
 彼がそう言いながら取り出したのは、もうひとつのフック型の道具だった。

つづく

肛門拘束(仮) 1

 激しく高鳴る鼓動を服の上から抑えつつ、私は商店街を歩いていた。
 道行く人たちはいつもと変わらない。ここは元々人通りの多いところで、すれ違う人がどういう人か気にしている人はいないとわかっていても、私は皆が自分を見ているような錯覚に陥って、くらくらと目眩がした。
 前を歩く彼の背中に、つい密着してしまう。
「おいおい、歩きづらいだろ」
 そんな風に言ってくる彼は、言葉とは裏腹に顔は笑っていて楽しそうだった。
 元々こんなところを『こんな状態』で歩くというのは彼の発案だったので、私は少しむっとしてしまう。
「は、恥ずかしいんだから……盾になってよ……」
「はいはい。……でもやっぱ『そう』してた方が絶対良いって。割と視線集めてるし」
 その彼の言葉にぎょっとして、思わず背中を丸めそうになって――その瞬間、肛門が上向きに引っ張られて激痛が走った。
 それと同時に首も絞まって苦しくなる。
「んぎっ……ッ!」
 あげかけた悲鳴をなんとか飲み込み、ぐっと背中に力を入れて身体を反らす。そうすると肛門にかかる力が和らいで、少し楽になった。
 私のそんな動きを見てか、彼が呆れた顔を浮かべていた。
「おいおい、大丈夫か?」
「う、うるさい……っ」
 そう攻撃的に返してしまいつつ、私はなるべく体幹をまっすぐ保つように意識して歩く。
 いま、私の肛門には、アナルフックという道具が、首輪に接続された状態で挿し込まれていた。
 だから、少しでも背中を丸めると、それによってアナルフックが引っ張られ、激痛が走る状態になっているのだった。


 昔から知らず知らずのうちに猫背になってしまうのが悩みだった。
 猫背は身体にあまりよくないとも言うし、治したかったのだけど、中々治そうと思っても治せるものでもない。
 どうしたら治せるものかと悩んでいた時、付き合っていた彼氏がアナルフックを用いたプレイ兼荒療治を提案してきたのだった。
 ぶっちゃけ、半分以上は彼の趣味だと思うし、それに乗っかっちゃった私もどうかと思うけど。
 しかも彼の趣味で、私は左右のポケットに手を突っ込んだ状態から動かせなくなっていた。彼がワイヤーを使って手首の辺りをズボンに固定してしまったからだ。さらに左右の肘を細いリボンで背中側を通して結ばれているので、手を前に持ってくることもできない。
 転びそうになったら彼が助けてくれるとは思うけど、腕が自由に動かせない状態で歩くというのは中々スリリングな体験だった。
 拘束されている箇所は少ないけど、ろくに自由が利かないという意味では、あまり拘束の度合いに意味はなかった。

つづく

倶楽部の専属緊縛師

「『縄の日限定スペシャル企画・箱詰め縛りプレイ』……?」
 すっかり常連となってしまった箱詰倶楽部にやって来た私は、いつも通りのプレイコースを選択しようとしたが、カウンター上に置かれたそのチラシに目が吸い寄せられた。
 そんな私に対し、倶楽部の受付嬢が説明してくれる。
「本日限定でご提供させていただいているプランです。当倶楽部専属の緊縛師による、一風変わった箱詰めプレイが体験できますよ」
 箱詰倶楽部なのに専属緊縛師がいるのか。
 少し興味を引かれる。けど、お昼も回った時間なのに、希望者がでなかったんだろうか?
 その疑問が顔に出ていたのかもしれない。受付嬢は少し困った笑顔で説明してくれた。
「留意事項といたしまして……緊縛師の牧上は男性なのです」
 なるほど。それで得心がいった。
 この倶楽部の常連は、独り身の女性であることが多い。かくいう私もそのひとりだし。
 だからこそ、職員のほとんどが女性で構成されているこの箱詰倶楽部で、箱詰めプレイを楽しんでいるのだから、男性が相手なのは嫌という人も多いだろう。箱詰めプレイは全裸でやってこそ、と私も思うし、男性に見られたくない者が多く、この企画は人気が無いということか。
「普段牧上のプレイを受けておられる会員様たちは、本日はご都合が合わなかったようですね」
 なお、その人たちに関しては、後日都合の良い日に特別に企画と同じプレイを受けられるという話だった。
 限定企画の意味がない気がするけど、普段からプレイを楽しんでいる人たちが日程の都合で特別なプレイを受けられないのも可哀想だから、その辺は臨機応変に、ということなのだと思う。
 有情であると思うし、ニッチな性癖を扱う倶楽部である以上、ユーザーに寄り添う対応をしてくれるのはとてもありがたかった。
 それはさておき、だ。
「……つまり、まだ受けられるってことよね」
「はい。いかがなさいますか?」
 受付嬢への返答は、もちろん決まっていた。


 その部屋はこれまで私が入ったことのある、箱詰倶楽部の部屋のいずれとも雰囲気が違った。なんというか、厳かな雰囲気が感じられる。
 構造的には他の部屋と同じ、一般的なビルの一室、という感じなのだけど、部屋の調度品や壁にかけられた絵などから「落ち着いた和室」のような空気を感じさせる。
 その部屋の中心、作業台らしい机を脇に携え、その人は待っていた。作業台に並んだ縄だけじゃなく、この空間の雰囲気そのものを従えているような――部屋の主だと言われなくてもわかった。
「いらっしゃい、お嬢さん。私が今回縄かけを担当する牧上です。どうぞよろしく」
 牧上、という緊縛師は初老の男性だった。服装は和風だったけど、その人を表す言葉としては老紳士というのがしっくりくる。とても穏やかで、縁側でお茶を飲んでいるのが似合いそうだ。
 確か緊縛には吊りという趣向もあって、かなりの重労働らしいのだけど、このお爺さんはそういう肉体労働にこなれている感じはしない。
 けれど、不安を感じさせないだけの威厳が牧上さんからは感じられた。
「よ、よろしくお願いします」
 私が頭を下げると、牧上さんは深く頷いた。そしてなにやらバインダーに挟まれた紙の束らしきものを、眼鏡をかけながら目を通す。
「早速ですが、プレイ内容の確認を行いましょう」
「は、はい」
「本日は『箱詰め縛りプレイ』のご要望で間違いないですね?」
 私はこくりと頷く。内容の詳細は受付嬢に聞いているのだけど、俄には信じられない内容だった。
「着衣はなしでよいとのことですが、間違いありませんか?」
「その方が気持ちよいと聞いたので……大丈夫です」
 男の人に裸を晒すのは正直恥ずかしかったし、水着着用でも構わないという話は聞いていた。けど、この倶楽部には深い信用を寄せていたし、何より高い会員費を支払ってまでプレイをしに来ているのだから、どうせなら一番気持ちよくなる方向で箱詰めプレイを行う、というのが私が決めている方針である。
 こういう捉え方は職員さんに失礼かもしれないが、倶楽部の人たちは箱詰めプレイのための道具と思うことにしている。そうすれば余計な羞恥心に惑わされずに済むからだ。
 もちろんこういう考え方は外聞がよくないので、誰にも言わないけど。
 牧上さんは再度深く頷き、そして資料を置いた。
「わかりました。それではまずは身体検査を行います」
「身体検査、ですか?」
 どういうことだろう。私は首を捻った。怪我や持病の有無は倶楽部に提出した資料に書いておいたはずだけど。そう思った私に、牧上さんは丁寧に説明してくれる。
「緊縛において、重要なのは身体の柔軟性です。腕はどこまで捻って大丈夫なのか、関節の柔らかさはどの程度か、それらは人それぞれで全く違います。ゆえに、初めて縄かけを行う際には、まずその体質を調べさせてもらっているのですよ」
 要は、簡単な柔軟体操のようなものらしい。
 私は牧上さんの指示に従い、腕を後ろに回して捻って見たり、脚を振り上げたりして、身体の柔軟性を確認してもらった。プレイではなく検査だというのがはっきりしていて、牧上さんは必要以上に私の身体に触れなかった。ものすごく真剣な目で、私がどの程度肩を捻れるか、脚の筋肉の張りがどの程度かをつぶさに確認している。
 たまに断りを入れてから身体に触れてくることがあったけど、それも筋肉がどの程度張っているかを確認しているようで、全然性的な感じはしなかった。
 そんな真面目な検査が一通り終わり、私はひとつ息を吐く。
「お疲れ様です。それでは、着衣を脱いでください」
 どくん、と鼓動が一段階速くなる。
 検査の間のやりとりで、牧上さんに対する警戒心は拭い去られていた。その所作といい、声のかけ方といい、信頼して任せるに相応しい度量を持っていることが自然と伝わって来たからだ。己の仕事に絶対の責任と自信を持っているのがわかった。自分の身体を安心して任せられる。
 きっと、そこまで理解してやっているのだろう。色々おかしなレベルのプロフェッショナルが集まっている箱詰倶楽部で、専属緊縛師をやっているだけのことはある。
 私は着ていた服を脱ぎ、脱衣籠に入れて全裸になる。あまりスタイルに自信はないのであまり見られたくはなかったのだけど、牧上さんは淡々と準備を進めてくれていた。
「では、始めましょうか――『箱詰め縛り』を」
 亀甲縛りや高手小手縛りとかなら聞いたことがあるけど、『箱詰め縛り』は聞いたことがない。恐らくこの倶楽部に合わせて牧上さんが編み出したオリジナルの縛り方なのだろう。
 まず、牧上さんは恐ろしく長いらしいロープの、ちょうど中間の地点を私のうなじに合わせ、その長いロープを器用に使って私の胴体を縛っていった。
 速い。
 気づけば、私の上半身は亀甲縛りのような形で縛り上げられていた。縄の端がわからないくらい長い縄だというのに、あっというまに縛り上げてみせた。緊縛師としての技量を感じさせる。
(……ッ、すごい……ちょっと身体を捻るだけで……縄が身体に食い込んで……けど、痛くない)
 絶妙な力加減で縛られているみたいだ。
 亀甲縛りのような形、と思ったけど、よく見ると少し形が違うような気もする。詳しくないのでどこがどう違うかはわからない。
「さて、失礼しますよ」
 縄のことに注意が言っていて、牧上さんがそう呟くのが何のことか気づくのが遅れた。
 一瞬の内に牧上さんの手が私の股間を過ぎ去り、それに反応する前に、その場所に縄が食い込んだ。
「ひゃあっ!!」
 思わず悲鳴が口から零れる。股縄が通されていた。結んだコブが私のそこを刺激する。コブはご丁寧にクリトリス、秘部、肛門それぞれに接するように作られているようで、三点の刺激に思わずつま先立ちになって腰が浮いてしまう。けれど、背中側の縄に接続されたらしい股縄からそれで逃れられるわけもなく、無意味に背伸びをしただけに終わった。
 まだ両手両足は自由だというのに、私はすでに牧上さんによる緊縛に囚われていた。身体を揺するだけで、腰砕けになりそうなほどの気持ち良さが生じる。
「脚を揃えて、跪いてください」
 牧上さんに言われるまま、私は両足を揃え、その場に跪いて膝立ちになる。
 そこに牧上さんが手早く縄をかけていった。膝が合わせられて両足は微塵も開けなくなって、折り曲げた状態で固定される。三角座りの姿勢にされたかと思うと、胸が潰れるくらい密着した状態に固定され、私の身体で自由なのは両腕と頭だけになった。
 そして、ついに腕も拘束されるときが来た。
「両腕を交叉させて、自分の脚を抱くようにしてください」
 その交叉させたところに縄が十字にかけられ、私の腕は動かせなくなる。
 けれど手首から先は自由に動く。さすがに縄で指先の拘束までは難しいのだろう。
 完全拘束というには少し余裕があるかな、とその時は思っていた。
 牧上さんは腕を拘束した縄尻を用いて、私の脚の甲と親指同士を縛る。腕は割と自由な分、それ以外はもうほとんど動かせない。
 それにしても、だ。いまのところ牧上さんが他の縄を足した様子はない。
 つまり一本の縄でここまでの緊縛を施しているということで、それがどれほど高度な技術なのか、そもそも可能なことなのか、緊縛の手順がわからない私でも相当異常なのはわかった。
 しかも、だ。
「それでは、ここからが『箱詰め縛り』の本番です」
 そう。ここまではまだ前座なのだ――事前に聞いていた私でも信じられないことに。
 瞬きもせずに見つめているはずの私の目が追いつかないほどに、牧上さんの手は早かった。
 私の足先を縛った縄、そこからさらに超絶技巧が続く。
 民芸品などで藁で編んだ箱を見たことがあるだろうか。田舎の工芸品として有名なものがあるあれだ。
 牧上さんはそれを縄で作り始めた。私の足下から箱の底面が作られていく。そして私の身体を覆うように、四方の壁が編み上げられていった。
 有り得ないことに、牧上さんは私を閉じ込める箱すら、その縄で作ろうと言うのだ。
 縄師の技術ってこういうものだっけ、とか思ってはいけないのだろう。
 箱を編み上げつつ、時折そこを外れた縄が私の身体を縛る縄に接続される。もはや複雑怪奇とかいうレベルじゃなく、ずっと見ている私にすら何がどうなっているのかわからない。
 さらにその縄は私の指先にも絡んで来た。私は両方の手をパーの形で広げたまま、微塵も動かせなくなってしまった。正確には縄だから力を込めれば多少は軋むものの、とても「動かせている」状態ではない。
 縄で出来た箱の壁が私の目線の高さに編み上がるころには、私の身体で自由なのは頭だけになっていた。
 正直、まさか縄でここまで完全に拘束されるとは思っていなかったので、驚く……というか戦慄していた。そしてそれがまた全身に絶妙なテンションがかかって、気持ちいいというのだからとんでもない。
 縄に抱かれるとか、縄酔いとかいう言葉があるのは知っていたけど、私がいま感じている感覚はまさにそれだと思う。
 そして当然、ここまで徹底的に拘束されているのに頭が拘束されないわけもなく。
「口を大きく開けてください」
 牧上さんの指示で口を大きく開けると、少し変わった形の縄のコブが押し込まれた。そのコブから左右に伸びた縄が私の口を割り開き、猿ぐつわの代わりになる。
「ぐぅ……ム、ウ、ゥッ!?」
 思わず声をあげようとして、まったく言葉にならないことに気づく。どうやら押し込まれたコブが奇妙な形をしていたのは、完全に舌を抑えてしまうのが目的だったようだ。
 頭の後ろで縄が結ばれ、その縄がまた箱を編み込み始める。その位置が微妙に頭の高さより下だったので、私は自然と頭を下げざるを得ない。可能な限り小さくまとまっているような姿勢――要はいつも箱詰めのときになっている体勢に、自然と落とし込まれていた。
(っていうか、一本の縄で全身拘束から箱を編むってところまでやってるのがおかしいんだけど、どんな技術してんのこの人……!?)
 世の中には変態的な天才がいるものだ。
 やがて完全にひとつの箱が編み上がったのか、牧上さんの手が止まる。
「出来ました。……といっても見えてはいませんよね。映像に残してありますので、あとでぜひご確認ください」
 確かに普段はそこまで気にならないけど、どんな完成形になったのか純粋に興味はある。
 いまの私の視界には、何がどうなっているのかわからないほど複雑に絡め取られた自分の腕と足先くらいしか見えていない。
 軽く身体を揺すってみる。途端、全身の縄が軋み、絞り出されるような感じがした。
(うわっ、なにこれ……ちょっと、動かすだけで……全身を触られてるみたい……!)
 腕を動かそうとしても、脚を動かそうとしても、そこから全身の縄に刺激が走る。
 これはちょっと言い表しがたい感覚だった。
 そしてそれは股間に通された股縄にも刺激が走るということでもあり、じんわりとした刺激がとても気持ちいい。
 最初、バイブなどの道具は入れないのかと思ったことを恥ずかしく思う。
 縄だけで十分だ。
 十分な快感を得ることが出来ている。このまま揺りかごに揺られるように、眠れたら最高かもしれない。
 そう思っていた私は、正直、まだ牧上さんを侮っていた。
 なぜなら――牧上さんの『箱詰め縛り』は、まだ終わってなかったからだ。
「それでは、始めさせていただきます」
 私が「え?」と思う間もなく、不意に私の世界が傾いた。
 背中側が床の方向になり、重力の方向が変化する。
 箱がゆっくり倒されたのだと、理解した。普段箱詰めされている箱は、結構重めの物が多かったけど、縄で出来た箱ならそうやって上になる面を変えることも可能ということなのだろう。まさかこんな仕掛けがあるとは。
 上になる面が変わると同時に、私の全身を縛る縄の感覚も変化した。幾十、ひょっとしたら幾百にも施されたテンションによって、私の身体にかかる負担は変わらない。
 けれど、力の加わる方向が変化したことによって、私が覚える感触も大きく変化する。
「ムーッ!!」
 思わず身体を動かそうとすると、それによって強い刺激が生じ、私は私自身に責められる。
 とんでもなく気持ちいいけど、とんでもなく気持ちよすぎる。
 しばらく身体を震えさせ、全身から滝のような汗が流れたあとで、ようやく少し落ち着いてきた。これ以上何かされたら、おかしくなってしまいそう、そう思った。
 そんな私をあざ笑うかのように、世界が再び回転する。
 頭が下に、股間が上になるように。
 私の身体はひっくり返されていた。
 当然、またも力のかかる方向が変わって、ようやく慣れてきたと思った刺激が新たなものに変わって悶絶する。
「ンギィイイイイ!?」
「数分ごとに回転させます。その都度、変化する感覚をお楽しみください」
 恐ろしいことをさらりと言われた。
 つまりこの調子で私は数分ごとに変わる縄の感覚に翻弄され続けなければならないということだ。それは果たして、どれほどの快感になるのだろう。
 私の身体は自然と絶頂へと導かれ、そして大量の愛液を溢れさせた。
 逆さになっているため、じんわりと愛液の熱がおなかに広がっていく。

 箱詰倶楽部専属緊縛師・牧上さんの『箱詰め縛り』。
 その魅力に絡め取られ、次から緊縛箱詰めプレイを頼むようになるのは、また別のお話。


~倶楽部の専属緊縛師 おわり~
 
 

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 6

 狭いトロッコの中でじっとしながら、体内に埋め込まれたバイブと外から刺激を与えてくるブラパッドの震動に耐え続けるというのは、正直かなり辛いものがあった。
「フゥ……ウゥ……ッ」
 自由にならない身体を捩らせ、ラバースーツの軋む音を響かせながら、私は口から流れ落ちる涎を止める事も出来ずに見つめる。
 トロッコが目的地に着くまでの辛抱とはいえ、逃げ場のない場所で延々と刺激を与え続けられるのは辛かった。
 元々、震動する強さ以外はさほど特徴の無い震え方をするバイブとパッドであるため、いうほど気持ちよくはない。……訂正。気持ちはいいけど、絶頂に至れるほどか、というとそうじゃない。
 だから私は延々震動によって昂ぶらせられているにも関わらず、すんでのところでそれが解消されないという状況にある。それはかなりの責め苦だった。あともう一押し、刺激を与えられればイけるのに、それが成されない。
 もしこれが女島さんによって管理されているときであれば、ほどほどのところでイかせてくれるのに。
(意地を張るんじゃ無かったかな……)
 早くも、私はこのゲームに乗ってしまったことを後悔しかけていた。
 バイブやパッドによって与えられる無機質な快感は味気ない。
 愛するご主人様の手で、絶頂に導いて欲しい。
 そんなヒトイヌとしての――いや、雌犬としての本能が頭の片隅で囁き始めていた。
(いっそ、リタイアしてしまおうかな……)
 弱気になってそう思いかけた私の思考を遮るように、トロッコが減速する感覚がして、止まった。
 どうやら目的地に着いたようだ。私は弱りかけていた気持ちを持ち直す。
 トロッコから出て、他のヒトイヌから離れてしまえばこの厄介な震動も収まるはず。
 改めて気を入れ直した私は、開いたトロッコの扉から外にでた。
 幸い、同じトロッコに乗っていた別のヒトイヌの目的地は違ったようで、私だけを降ろしてトロッコは再び出発していった。
 トロッコが遠ざかるにつれ、私の心を弱らせていた震動は収まっていき、私は人心地つくことが出来た。
(危ない危ない……もうちょっとで負けを認めるところだった。ヒトイヌになってる時はいつもより快感に弱いから……注意しないと)
 冷静になって考えれば、もしこんな序盤でリタイアしようものなら、スポーツマン気質の女島さんは間違いなく怒る。負けず嫌いではあるけど、それと同じくらい勝ちを譲られるのが嫌いな人だった。
 対戦ゲームであまりにも女島さんが弱かったから、わざと負けてあげた時のことを想い出す。あのときは拗ねに拗ねて大変だった。可愛くはあったけど。
 もしいまの段階でリタイアして彼女主体の責めになっていたら、そのお仕置きとして女島さんの手で焦らしプレイを施されていたかもしれない。
(そんなのはごめんだわ……負けるにしたって、健闘を称えて優しくしてくれる程度には競わなきゃ……!)
 私は改めてそう決意を固め、勝つ気でゲームに戻った。
 トロッコが到着したのは、ヒトイヌ状態で利用できる娯楽室だ。私の読みでは、この施設に鍵が一個は必ずあるはずだった。
 野外にも施設はいくつかあるけど、野外だけあって探す場所が広い。その点、娯楽室なら見るべきところは限られているし、なんとなく察しも付く。
 ただ、誤算がひとつ。
(なんで……なんでこんなにヒトイヌがいるの……!?)
 施設内に入って見て私は驚いた。入口から見えるだけでも、数頭のヒトイヌが娯楽室で思い思いに寛いでいたのだ。
 普段、私たちが利用する時にはそんなに利用者が少なかったから油断していた。いても一頭か二頭だと思っていたから、これは完全に想定外だ。
(こ、こんな場所を……探さないといけないの……?)
 娯楽室内のヒトイヌに反応してか、バイブとパッドが震え始める。
 せっかく立て直した心が、再び不安に揺らぎ始めていた。

序盤編・おわり
探索編につづく

ヒトイヌ拘束脱出ゲーム 序盤編 5

 ヒトイヌ公園で支給されるヒトイヌスーツは、驚くほどの快適性を実現している。
 多少なら汗を掻いても、ちゃんと吸収してスーツ内の環境を快適に保ってくれるのだ。
 けれど、さすがに今回の私ほどの全力疾走は想定されていなかったのか、スーツ内で流れた汗がものすごいことになっている感触があった。肘や膝のあたりが特に湿っているような感覚がある。
 さすがにちょっと気持ちが悪い。
 でも、それにしてもこれだけ汗を掻いたなら、逃げ場のない汗がもっと溜まって気持ち悪く感じるものじゃないだろうか。
(全身ラバースーツに覆われてる以上……漏れ出たりはしないはずだけど……)
 そんなことがふと気になって、後ろを振り向いてみた。
 すると、そこには想像もしていなかった光景があった。
(……!? これ、もしかして……私の足跡!?)
 私が歩いてきた道に、明らかにおかしな足跡が残っていたのだ。
 肘と膝の四点で体を支えている私の足跡とは思えない、本物の犬の足跡のような形に地面が濡れて残っていた。プールからあがった時の足跡が、乾いたプールサイドにつくような感じ。
 恐らく肘と膝のところに当てられたクッションに、そういう風に足跡がつくような仕組みがあるのだと思う。試しに足下で何度か足踏みをしてみると、その場所に犬の足跡みたいな湿った跡が残った。
(えっと……確かにたくさん汗は掻いたけど……ここまでになる?)
 道を見返してみれば、結構な距離に跡が続いている。これだけの跡を残せるほどの汗を掻いていたら、これはもう脱水症状とかいうレベルじゃないのでは。
 恐ろしく感じていると、突然、耳元で声が響いた。
『その足跡についてはご安心ください。汗など、ある程度の量の水分を吸収すると、そのような隠し機能が動くようになっています』
 びっくりしたけど、そういえば犬耳に実況用のスピーカーが内蔵されているんだった。
 いまのタイミングできちんと放送があったということは、当然だけど私たちの動向は常にチェックされているということ。見られているというのはちょっと恥ずかしいけど、それはそれで安心する材料ではあった。
『なお、その足跡がつくというのは、非常に水分を消費している状態であり、大変危険です。運営からの要請として、水分補給を行ってくださいますよう、お願いいたします』
(なるほど、そういう指針にもなっている、と……)
『指示に従っていただけない場合、女島様の敗北となりますのでご留意ください』
 つまり、まずは水分補給をしてからゲームに復帰しろということね。
 せっかく頑張って走った甲斐がないけど、体調優先なのは当たり前だ。私は出来る限り急いで水分補給をしようと、休憩所を探して辺りを見渡す。
 確か休憩所ではヒトイヌ状態でも水分補給できる設備があったはず。
 そう思って周囲を見渡したのだけど、運の悪いことに近くに休憩所らしきものは見当たらなかった。ちょうど間の悪い時に気づいてしまったようだ。
(これは……どっちに進めばいいの……?)
 水分補給をする気がないと思われるのは困るけど、ここから通り過ぎた休憩所まで戻るには随分時間をロスしてしまう。
 困っていると、再び放送が鳴った。
『そのまま前方に進んでください。茂みを抜けた先に給水所をご用意しております』
 私たち二人のためだけに至れりつくせりにもほどがあると思ったけど、都合は良かったのでその指示に甘えることにする。
 遊歩道に足跡を残しつつ、私は給水所へと急いだ。

 そこで何が待ち構えているかも知らずに。

つづく
カウンター
プロフィール

夜空さくら

Author:夜空さくら

はじめに
当ブログは箱詰・拘束系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。